富山 氷見 夜明け前から給水所に長い列 約1万世帯で断水続く

1日、震度5強の揺れを観測した富山県氷見市では今も広い範囲で断水が続いていて、3日も夜明け前から住民が給水所に長い列を作り、ポリタンクなどに水を入れていました。

このうち北部中学校では午前6時すぎ、近くに住む人たちおよそ30人が長い列を作っていて、給水車が到着すると持参したポリタンクなどに順番に水を入れていました。

現場は夜明け前で冷え込む中、早い人は午前5時半から並んでいたということで、住民たちは疲れた様子で待っていました。

家族6人で暮らしているという40代の男性は「自宅の水が出ないので、きのうから5回ほど給水所に来ています。トイレの水を流したり、飲み水に使ったりしたいです」と話していました。

約4000世帯は復旧も 1万世帯で断水続く

氷見市のうち、宮田地区と窪地区の合わせておよそ4000世帯分は3日午前7時までに復旧したということです。

このうち窪地区の住宅では住人がたまっていた食器を洗っていました。

この家に住む40代の男性は「断水が復旧してうれしいです。市の職員などが一生懸命、復旧作業にあたってくれたので大切に使いたいです」と話していました。

市内では、3日午前8時時点で、およそ1万世帯で断水が続いていて、全面復旧のめどはたっていないということです。

氷見市は断水が続いている地域では濁った水が出ることがあるため、飲み水には利用しないでほしいと注意を呼びかけています。

「り災証明書」の受け付け開始

一方、氷見市の市役所では3日から「り災証明書」の受け付けが始まりました。

氷見市では住宅2棟が全壊したほか、多くの建物で窓ガラスが割れるなどの被害が確認されています。

「り災証明書」は被害の度合いを証明する書類で、自治体による調査をもとに交付され、被災者生活再建支援金、義援金などの給付、応急仮設住宅への入居など、さまざまな支援を受ける際に必要となります。

「り災証明書」の申請の際は自宅の被害状況を撮影し、記録に残すと役立つことがあります。

申請に訪れた50代の男性は「両親が暮らす実家が傾いて住める状態でなくなりました。市の職員からは『家の片づけをするのはいいが、調査をする前に修復作業はしないように』と説明を受けました」と話していました。

「り災証明書」の申請は市役所の窓口のほか、マイナンバーカードを持っている人はオンラインでも申請でき、詳しい手続き方法は市のホームページで確認することができます。