石川 輪島市で震度5強 少しの雨でも土砂災害のおそれ 警戒を

1日の能登半島地震で石川県で震度7の揺れを観測したあと、能登地方やその周辺では地震が相次ぎ、3日も震度5強の揺れを観測しました。1週間程度は最大震度7程度の揺れに注意が必要です。

また、被災地では雨が降っているところがあり、気象庁は少しの雨でも土砂災害のおそれがあるとして警戒を呼びかけています。

1週間程度 最大震度7の地震に注意

1日午後4時10分ごろに発生した能登半島地震では、▽石川県の志賀町で震度7の激しい揺れを観測したほか、▽震度6強の揺れを七尾市と輪島市、珠洲市、穴水町で観測しました。

また、新潟県と富山県、福井県、長野県、岐阜県で震度5強から5弱を観測しました。

能登地方やその周辺を震源とする地震は、その後も相次ぎ、3日午前2時21分ごろには珠洲市で、午前10時54分ごろにも輪島市で、いずれも震度5強の揺れを観測しました。

震度1以上の揺れを観測した地震は3日午後4時までに521回にのぼっています。

気象庁は揺れの強かった地域では、家屋の倒壊や土砂災害などの危険性が高まっているため、1週間程度、特に2、3日の間は最大震度7の揺れを伴う地震に注意するよう呼びかけています。

少しの雨でも土砂災害に警戒

さらに北陸と新潟県では低気圧や寒気を伴った気圧の谷の影響で大気の状態が非常に不安定になり、雨が降っているところがあります。

4日の昼過ぎにかけて雷を伴って強く降るところがある見込みで、4日の夕方までの24時間に降る雨の量はいずれも多いところで
新潟県で60ミリ
石川県加賀で50ミリ
石川県能登と富山県、福井県で40ミリ
と予想されています。

揺れが強かった地域では地盤が緩んでいるため、少しの雨でも土砂災害の危険度が高まるおそれがあります

気象庁は土砂災害に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風に注意するよう呼びかけています。

すでに各地で土砂災害が相次いでいます。斜面などには近づかないようにしてください。

また、雨が降る中、屋根にあがって雨漏り対策をするのは危険です。ブルーシートを室内に張るなどの対策を心がけてください。

災害関連死を防いで!

過去の地震では、揺れから助かったあとに避難生活の中で命を落とす災害関連死が多く発生しています。

北陸と新潟県では今月7日以降、冬型の気圧配置の影響で再び雪が降って冷え込みが強まると予想されているため、低体温症に十分注意してください

まだ支援が十分に届いていない避難所もありますが、体調を崩している人がいないか声をかけあい、できるかぎり暖を取って定期的に足を動かすなどの対策を心がけてください。

過去の災害関連死

地震や津波などから逃れて助かったものの、その後の避難生活による体調の悪化などが原因で亡くなる「災害関連死」が、過去の災害で相次いでいます。

このうち、2011年の東日本大震災では復興庁のまとめで去年3月の時点で3794人にのぼっています。

また、各自治体への取材や総務省消防庁の資料から
▽2016年の熊本地震では221人
▽2018年の西日本豪雨で82人
▽翌2019年の東日本台風と前線による大雨の災害で31人
などとなっています。

「震災関連死」の原因は、避難生活や水道、電気などのインフラがないことによる肉体的、精神的な負担が大きいとされ、復興庁や熊本県によりますと、3か月以内に亡くなった人は、▽東日本大震災でおよそ78%、▽熊本地震でおよそ81%となっています。

また、「災害関連死」は70歳以上の占める割合が高く
▽東日本大震災ではおよそ87%
▽熊本地震ではおよそ78%
となっています。

広域で甚大な被害が出ることで、被災者が求めていることと支援が食い違うと「災害関連死」が増えるとされていて、避難所だけでなく自家用車や自宅で避難する人など被災者の事情に応じたきめ細かな支援が必要となっています。

石川県内13の自治体で「大雨警報」などの基準を引き下げ

今回の地震で地盤が緩み雨による土砂災害の危険性が高くなっているとして気象庁は「大雨注意報」と「大雨警報」、「土砂災害警戒情報」の基準を石川県内13の自治体で引き下げました。

基準の引き下げは地震の揺れに応じて2つの段階に分けて行われ、通常の7割に引き下げたのは輪島市、能登町、穴水町、七尾市、中能登町、志賀町の6つの自治体です。

また、基準を通常の8割に引き下げたのは羽咋市、宝達志水町、金沢市、小松市、加賀市、かほく市、能美市の7つの自治体です。

3日午前4時すぎに基準を引き下げた後、このうち輪島市で、初めての警報となる大雨警報が発令されました。

一方、珠洲市については去年5月に震度6弱の揺れを観測した地震のあと、すでに基準を7割に引き下げていて、今後もこの基準を継続するということです。

気象庁は当分の間、この基準で運用することにしていて、揺れが強かった地域では大雨警報や土砂災害警戒情報が発表された場合には早めの避難など安全の確保を心がけてほしいとしています。