能登半島地震 “阪神・淡路大震災の地震に匹敵する”専門家

石川県能登地方で震度7の揺れを観測した地震で、京都大学防災研究所の境有紀教授が地震計のデータを分析したところ、穴水町の地震計では、建物に大きな被害を与える周期が1秒から2秒の揺れが多く含まれていて、阪神・淡路大震災を引き起こした地震に匹敵するということです。境教授は「自宅などに立ち入る際は、建物が少しでも傾いていないかを確認することが重要だ」と指摘しています。

地震の揺れと建物被害との関係に詳しい京都大学防災研究所の境有紀教授は、石川県で震度7の揺れを観測したマグニチュード7.6の地震について、能登地方に設置されている地震計のデータを分析しました。

地震の揺れのうち、木造住宅や10階以下の建物に大きな被害を与えるのは周期が1秒から2秒の揺れとされています。

境教授が分析したところ
穴水町の地震計では、1秒から2秒の揺れの成分は1995年の阪神・淡路大震災を引き起こした地震に匹敵するということです。

このほか、珠洲市や輪島市の地震計でも建物に大きな被害を与える揺れが観測されているということです。

こうした分析結果をもとに各地の建物のデータを用いて被害を推計したところ、全壊や大破した可能性のある建物は、「木造」とビルなどの「中低層非木造」で、合わせて少なくとも726棟に上るということです。

また、人口のデータから、これらの建物に暮らすのは合わせて6100人余りだとみられるとしています。

境教授は「建物がなんとか建っていても実は致命的な被害を受けていて、震度2や3くらいの小さな揺れでも倒壊する可能性がある。自宅などに立ち入る際は、建物が少しでも傾いていないか、確認することが重要だ」と指摘しています。