【詳細】空港事故 国交省 海保 会見「運輸安全委員会が調査」

今回の事故をうけて、国土交通省航空局と海上保安庁が2日午後9時すぎから国土交通省で会見を行い、航空局の平岡成哲局長は事故を陳謝した上で、管制とのやりとりについては事故原因にあたり、詳細は確認中として今後、国の運輸安全委員会などが調査すると強調しました。

亡くなった海上保安庁の5人

海上保安庁によりますと日本航空の機体と衝突した事故で亡くなったのは、海上保安庁の固定翼機に乗っていた
▽副機長の田原信幸さん(41)
▽通信士の石田貴紀さん(27)
▽探索レーダー士の帯刀航さん(39)
▽整備士の宇野誠人さん(47)
▽整備員の加藤重亮さん(56)の5人です。

また
▽機長の宮本元気さん(39)も重傷だということです。

今後は運輸安全委員会などが調査「原因究明に協力」

会見では、報道陣から管制とのやりとりについて何度も質問が出されましたが、平岡局長は「JALからは事故原因についての証言や報告は、現段階ではまだ受けていないという段階だと思う」と述べた上で、「非常に重大なことなので軽々に発言できない。いずれにしても、非常に大きな事故だと受け止めているので、私どもなりに原因究明にはしっかり協力をしていきたい」と述べるにとどまりました。

航空局によりますと、通常、管制と航空機側のやり取りについては録音があるということで、今後、運輸安全委員会などが調査をするとともに国土交通省として協力していくとしています。

国交省 海保機体の離陸許可や進入許可「調査中」

国土交通省航空局の平岡局長は日本航空側の運航スケジュールに問題がなかったどうか問われたのに対し「スケジュール管理は管制機関が行っていて、安全な間隔とって、離発着を行っている。私どもとして現時点で問題があったとは理解していない」と述べました。

また、国土交通省航空局管制課の課長は、海上保安庁の機体に離陸許可や進入許可は出ていたのかという質問に対して「そのあたりは現在調査中で、現段階では申し上げられない」と述べました。

「C滑走路の再開は現時点でメド立たず」

国土交通省航空局の平岡局長は、事故が起きたC滑走路の状況について「基本的には現場確認がこのあと運輸安全委員会なり、捜査機関で行われることになるのでそのままにしてある。実際にはその後、安全点検などを行って安全上支障がないと確認された段階で再開という形になるだろう。現時点でメドは立っておらず、何も決まっていない」と話していました。

海上保安庁次長「運航前に不具合報告なし」

海上保安庁の瀬口次長は、衝突前に不具合の報告はあったのかという質問に対して「受けていません」と述べ、運航前に異常はなかったという認識を示しました。

国交省航空局長「非常に重大 原因究明にはしっかり協力する」

平岡航空局長は事故の原因について問われたのに対し「非常に重大なことなので軽々に発言できない。いずれにしても、非常に大きな事故だと受け止めているので、私どもなりに原因究明にはしっかり協力をしていきたい」と話しました。

国土交通省担当者「滑走路3本再開 運行影響ないとは言い切れず」

国土交通省の担当者は「さきほどA滑走路、B滑走路、D滑走路の3本の滑走路の運行が再開されたが、1本滑走路が閉鎖された状況になるので、できる限りの離発着ができるよう努めていく。運行への影響はないとは言い切れない」と話しています。

国交省航空局長「乗員乗客の脱出は適切に行われた」

平岡航空局長は、「事故発生から停止し、ただちに脱出用のシューターで脱出が行われたということであり、すべての乗員乗客が無事に避難できた。通常、こうした衝突事故の場合は火災が生じるまでの時間が非常に短いので、短い間に無事に乗員乗客が脱出できたというのは、そのプロシージャーについては適切に行われたのではないかと思っている」と話しました。

国交省航空局長「JALから事故原因の報告まだ受けていない」

国土交通省航空局の平岡局長は「JALからは事故原因についての証言や報告は現段階ではまだ受けていないという段階だと思う。まず人命優先、被害者救済優先という観点から乗員乗客の無事について報告があったということだ」と述べました。

国交省航空局長「衝突の詳細はまだ確認できていない」

平岡航空局長は「C滑走路に南側からJAL機が着陸しようとしていた。着陸をしている際に滑走路上に海上保安庁の機体があり、そのまま衝突をしたということだ。どういう形で衝突をしたかという点について、詳細はまだ確認できていない。その後、JALの機体についてはC滑走路のさらに北のところまでいって停止をしたということで、停止後炎上したということまでは確認はできている。横からなのか後ろからなのか、まだ確認できていない」と話していました。

「乗客無事と報告 管制とのやり取りは確認中」

国土交通省航空局の平岡局長は「乗員乗客は無事と報告を受けている。事故原因につながる管制とのやり取りはまだ詳細確認中だ」と述べました。

海上保安庁次長「滑走路上で機体が爆発」

海上保安庁の瀬口良夫次長は「機長からは滑走路上で機体が爆発し、自分は脱出した。その他の乗員については不明だという通報があった。詳細は確認中だ」と述べました。

国交省航空局長「今晩中にも運航再開できるよう全力尽くす」

記者会見した国土交通省航空局の平岡成哲局長は「国民のみなさまに大変心配をおかけしています。事故原因は国の運輸安全委員会などが調査するので、現場の保存が必要だが、できるだけ早期に今晩中にも運航が再開できるよう全力を尽くす」と話していました。

海上保安庁次長「痛恨の極み 原因究明に努める」

記者会見で海上保安庁の瀬口良夫次長は「今回の事故でご迷惑をおかけした皆さまに深くおわびする。かけがえのない命を失ってしまったことは痛恨の極みであり、故人のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆さまに心よりお悔やみを申し上げる」と話しました。

その上で「午後5時55分ごろ、羽田航空基地所属のMA722の機長から『滑走路上で機体が爆発した。自分は脱出した。その他の乗員については不明』という通報があった。海上保安庁としては関係機関に情報を共有し、巡視艇や特殊救難隊を現場付近に急行させている。乗務員6人の安否については機長1人が意識あり、乗員5人の死亡が確認されている。引き続き、関係機関と連携し、事故の原因究明に努めていく」と話していました。