輪島市西部 M7.6の地震で最大約3mの地殻変動 国土地理院

1日夕方に石川県能登地方で起きた大地震について、国土地理院が人工衛星のデータを解析した結果、石川県の輪島市西部では地殻変動が最大でおよそ3メートルに達していることがわかりました。国内で起きた地震としては非常に規模が大きくさらにデータを分析することにしています。

1日午後4時10分ごろに起きたマグニチュード7.6の地震について、国土地理院は地球観測衛星「だいち2号」がレーダーで観測したデータをもとに、地震の前と後の地盤の動きを解析しました。

その結果、能登半島全体で地殻変動が確認され、特に輪島市西部で最大およそ3メートル、珠洲市北部で最大およそ1メートルの変動がみられることがわかりました。

隆起したのか、水平方向の動きなのかはこのデータだけでは判断できないとしています。

国土地理院によりますと、過去に同じ手法で確認された地殻変動のデータは2016年の熊本地震で1メートルから2メートル程度、2008年の岩手・宮城内陸地震でおよそ1.5メートルとなっていて今回のデータは国内で起きた地震としては規模が非常に大きいということです。

このほか、GPSの観測データからは、輪島市にある観測点が水平方向で西へおよそ1メートル30センチ動いたほか穴水町でおよそ1メートル、珠洲市でも80センチいずれも西へに動いていたことが確認されています。

地殻変動が大きかったところでは建物の倒壊などの被害の拡大につながった可能性があるということで、国土地理院は今後、データをさらに分析して地盤の動きを詳しく調べることにしています。

専門家「活断層が東西で100キロ以上ずれ動いた可能性」

地震や活断層のメカニズムに詳しい東北大学の遠田晋次教授は、今回の地震について活断層が東西で100キロ以上ずれ動いた可能性があるとした上で、その周辺でも地震が起こりやすい状態になっているとして警戒を呼びかけています。

遠田教授はき1日の地震の規模や発生状況、これまでの活断層の調査などを踏まえて「断層がずれ始めた位置は珠洲市のあたりだが、北東は佐渡市に向かって海側に50キロ、西には輪島市の方に50キロほど伸びて全体で100キロやそれを超える範囲の断層が動いたとみられる。熊本地震の本震のおよそ5倍のエネルギーにあたり、広い範囲で非常に強い揺れになった」と話しました。

その上で「今回は活断層型の大地震で今後も地震が多い状態が続くほか、海域で大きな地震があればまた津波が起きる可能性もあり揺れや津波に引き続き注意してほしい。また、1度動いた断層の周辺にもエネルギーが伝わることがあり想定される余震域に加えて佐渡の近くや能登半島の西側でも大きめの地震が起きやすい可能性がある。注意をしてほしい」と呼びかけています。