【避難状況 2日】石川 富山県内で計約3万人避難(午後3時半)

石川県能登地方で震度7の揺れを観測した地震の影響で、石川県や富山県などで2日正午現在、あわせておよそ3万人が避難しているということです。

各地の避難の状況をまとめています。

《石川県》

石川県内 2万7785人が避難(午後3時半)

石川県内では、2日午後3時半の時点で353か所の避難所が開設されていて、県内全体で2万7785人が避難しています。

自治体別に見ると、輪島市が70か所で9229人、珠洲市が21か所で4100人、能登町が42か所で3700人、穴水町が44か所で3206人、志賀町が18か所で2650人、七尾市が40か所で2000人、中能登町が10か所で1300人、内灘町が8か所でおよそ800人、羽咋市が9か所で292人、宝達志水町が18か所で144人、津幡町が8か所で113人、金沢市が19か所で109人、加賀市が10か所で66人、かほく市が9か所で38人、小松市が4か所で23人、能美市が2か所で15人となっています。

能登空港で約500人が孤立状態

国土交通省によりますと、石川県輪島市にある能登空港は、利用客や付近の住民などおよそ500人が空港内の駐車場に避難していますが、付近の道路が寸断され孤立状態にあるということです。

能登空港は地震の影響によりターミナルビルのガラスが割れたり、天井がはがれたりする被害が確認されたことから、避難している人たちは駐車場のバスやレンタカーの中で待機しています。

食料や毛布は支給されているということですが空港付近の道路が通行できず孤立状態にあるということです。

また、滑走路では深さおよそ10センチ、長さおよそ10メートル以上の亀裂が複数か所で確認され、4日まで閉鎖する予定としていますが、道路の寸断により修繕にあたるスタッフが空港にたどりつくことができず、復旧の見通しは不透明の状況だということです。

能登島 孤立解消も「電気と水道は止まっている」

一方、地震の影響による孤立状態が2日午前に解消した石川県七尾市の能登島では、住民から安どの声が聞かれました。

このうち避難所の1つとなっているコミュニティセンターには、孤立状態となった昨夜、住民や帰省中の人、島の水族館を訪れていた観光客など、およそ200人が身を寄せたということです。

中には赤ちゃんもいて、物資が限られる中、オムツの交換を我慢したりミルクを分け合ったりしながら過ごしたということです。

8か月の娘と避難していた20代の男性は「水族館にいた時に地震が起きました。子どものミルクを全然持っていなくて液体ミルクを薄めながら飲ませました。孤立状態が解消してようやくミルクの支援が得られるので安心しました」と話していました。

7か月の娘がいる20代の母親は「子どももいるので物資が来るかどうかすごく不安できのうは眠れませんでした」と話していました。

能登島に住む70代の男性は「橋が通行止めになったので住民でおむすびを作って避難してきた人に渡しました。橋が通れるようになり物資が届くのでよかったですがまだ電気と水道が止まっているので1日も早く復旧してほしいです」と話していました。

珠洲市 小学校に約500人避難(2日正午)

石川県珠洲市役所近くの高台にある飯田小学校には、2日正午の時点でおよそ500人が避難しています。

校舎の教室や食堂に地区ごとに分かれて避難していて、毛布を重ねて暖をとる人の姿も見られました。

自宅から避難したという70代の女性は「家の外壁も崩れてしまい、津波も怖くてきのうの夕方から避難しています。余震も続いているので自宅に帰れません」と話していました。

この避難所の責任者の泉谷信七さん(73)は「断水が続き、トイレの水が流せません。子どものためのおむつが足りないなど物資も十分ではなく、着の身着のままで避難してきたので困っています」と話していました。

志賀町 定員70人の避難所に約100人が避難(2日午後3時)

NHKの情報提供窓口「ニュースポスト」には避難所での食料の不足など、不安の声が寄せられています。

震度7の揺れを観測した石川県志賀町の今田にある避難所の「稗造防災センター」には、2日午後3時現在、定員が70人のところ、高齢者から子どもまでのおよそ100人が避難しているということです。

避難している30代の女性が撮影した画像では、人々が体を寄せ合うようにして室内で待機している様子が確認できます。

女性によりますと、避難所のトイレの浄化槽が壊れて使えなくなっているほか、大人数が避難していることで、備蓄の飲料水や食料などの物資が少なくなってきていることに不安を感じている人が多くいるということです。

女性は、「先月30日に滋賀県から実家に帰省して4日に帰るつもりでしたが、地震が起きて実家の中もめちゃくちゃになってしまい、不安でいっぱいです」と話した上で、「飲料水などの備蓄品が徐々に少なくなってきていますが、行政や自衛隊の助けがいつ来るか分からない状況なので、すごく怖いです。一刻も早く物資を届けてほしいです」と話していました。

農業用ハウスで一晩を過ごしたという住民も

石川県輪島市の門前町では避難所の倒壊を心配して農業用ハウスの中で一晩を過ごしたという住民もいました。

輪島市門前町の浦上公民館には1日、およそ60人の住民が避難所となっている公民館に身を寄せました。

ただ、地震の影響で建物の瓦が落ちるなどの被害があったため、住民たちは倒壊を恐れてそばにある農業用ハウスや車の中で過ごしたということです。

一夜明けた2日の午前中は、落ちた瓦を片付けたり、たき火で温まったりしている住民の姿が見られました。

公民館は電気は通っていますが、断水しているということです。

この地区には輪島市の中心部につながる国道がありますが、通行できなくなっているということです。

公民館の喜田充館長は「この地区は高齢者が多く、連絡がつかない人たちもいる。飲料水や食料も少なく、揺れがいつまで続くかわからず不安だ」と話していました。

避難してきた80代の女性は「昨晩は5分か10分おきに揺れて休む間がありませんでした。農業用ハウスで一晩を過ごしましたが寝られませんでした」と話していました。

河井町 県の土木総合事務所に100人ほどの避難者 備蓄なし

石川県輪島市河井町にある県の奥能登土木総合事務所の職員はNHKの電話取材に対し「この事務所には備蓄がありませんが、現在、100人ほどの避難者を受け入れています。建物からは市内の火災の炎も見えました。職員の数がそろったら道路の被害状況の確認を行う予定です」と話していました。

《富山県》

富山県内 9市町の2000人余りが避難(2日正午時点)

富山県内の自治体によりますと、県内の避難所には一時、1万6000人余りが避難しましたが、2日正午時点では9つの市と町にあわせて2000人余りが避難しているということです。

自治体別では、射水市が最も多く893人、次いで氷見市が628人、高岡市が253人、富山市で189人などとなっています。

このうち氷見市北大町にある比美乃江小学校の避難所では、およそ200人が一夜を過ごしたということです。

避難した70代の女性は、「家で揺れた時は驚いてはだしで外に出て、慌てて避難所に来ました。ストーブや毛布が用意されていましたが、床がとても冷たく、余震が何度も起こっていたので一睡もできませんでした」と話していました。

氷見市の避難所 約200人が一夜過ごす

1日震度5強の揺れを観測した富山県氷見市の北大町にある比美乃江小学校の避難所では、およそ200人が一夜を過ごしたということです。

2日午前8時すぎには、住民の多くは自宅などに戻るため、避難所を離れました。

避難した70代の女性は「家で揺れた時は驚いてはだしで外に出て、あわてて避難所に来ました。ストーブや毛布が用意されていましたが、床がとても冷たく、余震が何度も起こっていたので一睡もできませんでした」と話していました。