ノーベル平和賞ユヌス氏に禁錮6か月の有罪判決 バングラデシュ

バングラデシュで貧しい人々に融資を行い、ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏に対して、現地の裁判所は労働法に違反したとして、禁錮6か月の有罪判決を言い渡しました。支持者からは政治的な動機に基づいた裁判だなどと反発の声があがっています。

ムハマド・ユヌス氏は、バングラデシュの金融機関「グラミン銀行」の創設者で、貧困に苦しむ人々に無担保で小口の資金を融資する「マイクロクレジット」と呼ばれる制度を考案したことで2006年にノーベル平和賞を受賞しました。

1日、首都ダッカの裁判所は、ユヌス氏に対して、設立した法人の従業員の一部を正規に雇用していなかったなどとして、労働法違反の罪で禁錮6か月の有罪判決を言い渡しました。

地元メディアによりますと、判決後、ユヌス氏は記者団に対して「犯してもいない罪で罰せられた」と話したということです。

ユヌス氏を巡っては、政界進出の意向を表明したことなどから政権側との関係が悪化していて、複数の欧米メディアは裁判は政権の意向を受けたものだと反発する支持者の声を伝えています。

バングラデシュでは、今月、総選挙が予定されていますが、政権側は、野党の幹部を次々に拘束するなど強硬な姿勢を示しています。