香港 区議会議員当選の新議員 政府に忠誠尽くす宣言

香港では1日、先月の区議会議員選挙で当選した新しい議員470人が香港政府に忠誠を尽くすなどと宣誓を行いました。

香港の地方議会にあたる区議会議員選挙で当選した新しい議員470人は1日、政府庁舎に集まり、香港政府に忠誠を尽くすなどとする宣誓を行いました。

香港では3年前「愛国者による統治」を進めるためとして、中国の習近平指導部によって選挙制度が変更されたのに伴い、区議会議員も香港政府への忠誠を尽くすなどと宣誓することが義務づけられました。

当時、区議会では政府に批判的な立場の民主派が議席の8割以上を占めていましたが、ルールの変更を受けて多くの議員が辞職したほか宣誓しても議員資格を剥奪されるなどして、300議席以上が空席となりました。

先月行われた選挙では、制度の変更で民主派が1人も立候補できず、親中派が議席をほぼ独占し、議会にあたる立法会を含めて政治の舞台から政府に批判的な勢力が事実上、排除されました。

香港の政治に詳しい立教大学の倉田徹教授は「区議会は政府を監視したり、民意を吸い上げて政策に反映したりするものではなく、政府を助ける役割になった。意味合いが中国式に変化し、中国本土と同じように政府に賛成する機関になっていくだろう」と指摘しています。