広範囲に「長周期地震動」 石川県能登は最も大きい「階級4」

石川県で震度7の揺れを観測したマグニチュード7.6の地震では、長くゆっくりとした揺れ「長周期地震動」が観測され、▽石川県能登で最も大きい「階級4」を観測しました。また「階級3」を▽石川県加賀と▽新潟県上越・中越・下越、▽富山県東部・西部、▽長野県中部で観測しました。

さらに「階級2」を▽秋田県沿岸北部・南部、山形県庄内、山形県村山、山形県置賜、茨城県南部、埼玉県北部・南部、千葉県北東部・北西部、東京都23区、神奈川県東部、新潟県佐渡、富山県東部・西部、福井県嶺北、長野県北部、愛知県西部、三重県北部、大阪府南部、兵庫県南東部、和歌山県北部で観測しました。このほか「階級1」を青森県から徳島県にかけての広い範囲で観測しました。

長周期地震動は規模の大きな地震で発生する周期が2秒を超えるような大きくゆっくりとした揺れで、特に高層ビルなどで影響が出ます。

階級4の揺れを観測したのはおととし(2022年)3月に福島県沖で起きたマグニチュード7.4の地震以来です。

「長周期地震動」とは

「長周期地震動」は大地震や巨大地震の際に発生する、周期が2秒を超える大きくゆっくりとした揺れです。

震源から離れていても揺れが衰えにくく、超高層の建物や石油タンクなどでは地震そのものの揺れと、建物などの揺れとが共振して、揺れが大きくなる特徴があります。

2011年3月の巨大地震では震源から遠く離れた関東や大阪でも超高層ビルの高層階が大きく揺れました。

震源から770キロ離れた大阪・住之江区では大阪府の咲洲庁舎で揺れが10分以上続いて最上階の揺れ幅は最大3メートル近くに達し、エレベーターが止まったり壁や天井が崩れたりする被害が出ました。

また、震源からおよそ400キロ離れた東京・新宿区の超高層ビルでも、揺れ幅は最大で2メートル近くに達しました。

国土交通省によりますとビルの上層階ほど揺れが大きく、固定していない家具やオフィス機器が転倒したり移動したりしてけがをするほか、エレベーターの停止や閉じ込めなどが起きるおそれがあるとしています。