【1日 詳細】ガザ地区で年末も戦闘続く 死者2万1822人に

イスラエル軍とイスラム組織ハマスが衝突を続けるガザ地区では、年末の31日も戦闘が続き、現地の保健当局は犠牲者の数が2万1822人になったと明らかにするなど、事態収拾の兆しは依然、見えないままです。

イスラエルやパレスチナに関する日本時間1月1日の動きを、随時更新してお伝えします。

中東各地で新年を前に停戦を求める抗議の声

イスラエル軍がガザ地区への軍事作戦を続ける中、中東各地では31日、新年を前に、停戦を求めたり、抗議の声をあげたりする人々の姿が見られました。

このうちレバノンの首都ベイルートでは、多くの人が広場に集まり、パレスチナの旗を振ったり、「今すぐ停戦を」とか、「虐殺を止めろ」などとかかれたプラカードを持ったりして停戦を求めていました。

レバノンは南部でイスラエルと国境を接していて、レバノンのシーア派組織ヒズボラとイスラエル軍の間で戦闘が続き、緊張が高まっています。

参加した男性は「ガザの人々の大量虐殺とレバノン南部への侵略を止めるため訴えにきた」などと話していました。

またヨルダンの首都アンマンでは、多くの人がアメリカ大使館の前に集まり、イスラエルだけでなくイスラエルを支持するアメリカに対しても抗議の声をあげていました。

参加した男性は「目と鼻の先でガザの人々が殺されている中、ヨルダンの人々がどのように新年を祝い、祝う気分になっているのかを知ってほしい」と訴えていました。

イスラエル軍 予備役を一部撤収へ 長期化見据え部隊縮小か

イスラエル軍のハガリ報道官は31日の会見で「ガザ地区での部隊の展開計画や予備役の配置を調整している。予備役の一部は今週、家庭や職場に戻る予定だ。経済が大幅に安定し、次の年に向けて力を蓄えることができる」と述べて、一部の予備役をガザ地区から撤収させると明らかにしました。

イスラエルの有力メディア「ハーレツ」は軍がすでに一部の部隊を撤収させ、今後も戦況に応じて追加で部隊を撤収させる予定だと報じています。

イスラエルでは36万人の予備役が動員されたことで、労働力不足などによる国内経済への影響が懸念されています。軍としてはガザ地区北部をほぼ制圧したとするなか南部での作戦の長期化を見据えガザ地区に展開する部隊の規模を縮小するものと見られます。

年末も戦闘続く 死者2万1822人に

パレスチナのガザ地区では31日もイスラエル軍が地上侵攻と空爆を続け、ガザ地区の保健当局は24時間に150人が死亡し、これまでの死者は2万1822人になったと発表しました。

イスラエルのネタニヤフ首相は31日に開かれた閣議の冒頭で、「軍は困難な戦争ですばらしい働きをしている。先週は毎日のように何十人ものテロリストを排除した。われわれは人質を取り返し、戦争に勝利する」と述べハマスをせん滅するまで戦いを継続する考えを重ねて強調しました。

フーシ派「紅海でアメリカ軍事活動でも義務を果たす」

イスラエルに敵対するイエメンの反政府勢力、フーシ派は31日、「紅海でアメリカが軍事活動を行っても、イエメンはパレスチナの支援と勝利のために義務を果たす」と発表し、船舶への攻撃を続ける意向を示しました。

アメリカ中央軍によりますと紅海の南では31日、デンマークの海運会社が運航するコンテナ船がフーシ派のボート4隻から攻撃を受けましたが、救援に駆けつけたアメリカ軍がこのうちの3隻を沈没させたと発表しました。

海外の商船などをねらったフーシ派による攻撃は去年11月中旬以降23回にのぼっているということで、ガザ地区での人道状況の悪化に加え、イスラエルとハマスの衝突が海上輸送にも影響を与える状態が続いています。