柿沢前法務副大臣の秘書 ほかの人物の責任にするよう提案か

柿沢未途前法務副大臣が東京の江東区長選挙をめぐる公職選挙法違反の疑いで逮捕された事件で、前区長への投票を呼びかけたインターネットの有料広告が違法だと指摘を受けた際、柿沢前副大臣の秘書が前区長にほかの人物の責任にするよう提案していたことが関係者への取材でわかりました。
前区長側はその後、記者会見で陣営のボランティアスタッフの提案だったと説明していて、東京地検特捜部は、柿沢前副大臣と前区長の関与を隠そうとしたとみて、詳しい経緯を調べているものとみられます。

前法務副大臣で自民党を離党した衆議院議員の柿沢未途容疑者(52)は、ことし4月の江東区長選挙をめぐり、区議会議員などを買収したほか、選挙期間中にインターネットに木村弥生前区長への投票を呼びかける有料広告を掲載させたとして、公職選挙法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。

このうち有料広告掲載について、報道などで違法性が指摘されたことし7月、柿沢議員の私設秘書の1人が木村前区長に「人身ごくうを選んだ方がいい」などとメッセージを送り、ほかの人物の責任にするよう提案していたことが、関係者への取材でわかりました。

陣営に入って選挙運動を支援したこの秘書は、自分が身代わりになることも提案しましたが、前区長側は、翌月の記者会見で、ホームページなどを管理していたボランティアスタッフが提案し、自分が承諾したと説明していました。

特捜部は、柿沢議員側と前区長が関与を隠そうとしたとみて、詳しい経緯を調べているものとみられます。

関係者によりますと、特捜部の調べに対し柿沢議員は、現金などの提供については買収の意図を否定し、有料広告掲載については違法性の認識がなかったと供述しているということです。