【31日詳細】イスラエル ガザ地区で空爆 犠牲者数 増え続ける

パレスチナのガザ地区では、31日にかけてもイスラエル軍は地上侵攻に加え各地で空爆を行い、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、保健当局者の話として24時間で少なくとも64人が死亡したと伝えるなど、犠牲者の数は増え続けています。

イスラエルやパレスチナに関する日本時間12月31日の動きを、随時更新してお伝えします。

UNRWA「ガザ地区は人口の40%が飢餓の危機に」

UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は「ガザ地区は人口の40%が飢餓の危機にひんしている。毎日が食料と水を探す生きるための闘いとなっている」などとSNSに投稿し、強い危機感を示すとともにガザ地区全体で安全かつ持続可能な人道支援の必要性を訴えました。

人口が200万人を超えるガザ地区では住宅の7割近くが被害を受けたとする分析もあり、住む場所を失った多くの住民は、寒さの中、厳しい避難生活での年越しを余儀なくされています。

フーシ派 紅海で船舶への攻撃続ける

イスラム組織ハマスとの連帯を掲げるイエメンの反政府勢力フーシ派は、紅海を航行する船舶への攻撃を続けていて、アメリカ中央軍によりますと30日、紅海の南でシンガポール船籍のコンテナ船がミサイル攻撃を受けたということです。

コンテナ船からの援助要請を受けアメリカ軍は、コンテナ船に向けて発射された2発の対艦弾道ミサイルを撃墜したということで、けが人はないとしています。

アメリカ中央軍は、海外の商船などを狙ったフーシ派による攻撃は、先月19日以降23回目だとしていて、警戒を強めています。

イスラエル ネタニヤフ首相 “戦い 何か月も続くだろう”

イスラム組織ハマスの壊滅を掲げガザ地区への地上侵攻を続けるイスラエルのネタニヤフ首相は30日の記者会見で「戦争は全力で行われていて成功を収めている。しかし痛ましい代償も伴う。勝利のためには時間がかかり、さらに何か月も続くだろう。ハマスの壊滅と人質の解放という目標を達成するまで、われわれは戦い続ける」と述べ軍事作戦の継続が必要だという立場を改めて示しました。

各国から停戦を求める声が高まっていることについては「われわれが目標を達成する前に戦争を止めようとする国際社会の圧力を私は首相として拒否してきた」とも述べました。

ガザ地区 保健当局「24時間で165人死亡」

イスラエル軍は30日、ガザ地区の各地で軍事作戦を繰り広げ、このうち、北部のベイト・ラヒヤではイスラム組織ハマスの拠点2か所を破壊し、大量の武器を発見したなどと主張しました。

また、ガザ市ではハマスの戦闘員、数十人を殺害したとするなど、ガザ地区の各地で攻勢を強めています。

こうした中、ガザ地区の保健当局は30日、過去24時間に165人が死亡しこれまでの死者は2万1672人になったと発表するなど、犠牲者の増加に歯止めが掛からない状態が続いています。

ガザ地区ではイスラエル軍による地上侵攻や空爆による建物への被害も深刻化していて、アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは30日、一連の衝突開始から今月半ばまでにイスラエル軍による2万9000発に及ぶ空爆や砲撃などの結果、ガザ地区全体にあるおよそ44万の住宅のうち、7割近くが破壊されたり損壊したりしたなどとする専門家の分析を報じました。

住む場所を失った住民は、寒さの中での避難生活を余儀なくされていて、状況はいっそう厳しさを増しています。