バドミントン全日本総合選手権 男子シングルスは桃田賢斗優勝

バドミントンの日本一を決める全日本総合選手権は30日決勝が行われ、男子シングルスでは桃田賢斗選手が渡邉航貴選手にゲームカウント2対1で競り勝ち、2年連続6回目の優勝を果たしました。

東京 調布市で開かれた全日本総合選手権は大会最終日の30日、各種目の決勝が行われました。

このうち、男子シングルスでは2連覇をねらう桃田選手と初優勝を目指す渡邉選手が対戦し、試合は互いに1ゲームずつを取って最終の第3ゲームにもつれ込みました。

大会前の練習で背中を痛めたという桃田選手は、スマッシュを打つことができなかったものの、ショットの正確性や堅い守りでプレーを組み立て相手のミスを誘う形でポイントを重ねました。

要所でネット際に落とす得意のヘアピンも決まり、第3ゲームを21対11で取ってゲームカウント2対1で競り勝ち、2年連続6回目の優勝を果たしました。

一方、女子シングルスでは2年ぶりの優勝を目指した奥原希望選手が杉山薫選手と対戦しました。

奥原選手は第1ゲームを取ったものの、第2ゲームの途中から足を気にする様子が見られ、このゲームを落として第3ゲームに入る前に棄権しました。

このため、20歳の杉山選手が初優勝を果たしました。

このほか、
▽男子ダブルスでは古賀輝選手と齋藤太一選手のペア、
▽女子ダブルスでは櫻本絢子選手と宮浦玲奈選手のペア、
▽混合ダブルスでは山下恭平選手と篠谷菜留選手のペアがそれぞれ初優勝しました。

桃田賢斗「新しい自分を作りたい」

桃田賢斗選手は「昔から憧れていた舞台で、自分の中では日本のエースを決める大会と認識している。この大会にかける思いはほかの選手より強くてそういった気持ちがコートの中に表れたと思う。優勝できてうれしかったし、たくさんの応援を受けて気持ちよかった」と笑顔で振り返りました。

来年に向けては「パフォーマンスがどんどん上がっている感覚もある。今は海外の選手と試合をするのも楽しみなので、前向きに視野を広く持って年明けから試合に臨みたい。後悔のないよう、プレー面ではどんどん攻撃して新しい自分を作りたい」と意気込みを話しました。

そして、パリオリンピックに向けては「正直、出場権をかけたオリンピックレースは厳しい部分もある。パリ大会にはすごく出たい気持ちもあるが、出られなかったとしても僕のバドミントン人生は終わりではない。試合に出られるかぎりは全身全霊でトライしていきたい」と話していました。

奥原希望「若い選手と試合をしたいという思いが強かった」

奥原希望選手は試合後、足を引きずりながら会見場に姿を見せました。

途中棄権の理由について「股関節が前日の試合中から痛くなり、きょう、ウォーミングアップをしている時点で戦えるのか不安があった。踏み込んで負荷が蓄積していくにつれて足が反応しなくなり、2ゲーム目には足に力が入らなかった」と説明しました。

そのうえで、試合前に棄権を選択せずにコートに立った理由を問われると「今大会は最初からたくさんの棄権があったが、私の中では棄権の選択肢はなかった。どうしてもコートに立って若い選手と試合をしたいという思いが強かった」と話しました。

たび重なるけがを経験しながらも真摯(しんし)に競技と向き合って大会に復帰したことしを振り返り、「本来であればきょういい試合をして『戻ってきた』ということを言いたかった。このエラーがどこまで長引くか分からないが自分としては完全に戻って来れたという自信と感覚をプレーで皆さんに示すことができたと思う。また早く復活して来年からのオリンピックレースを戦いきれるようにしたい」と話していました。