「デジタル円」発行する場合の法律上の課題など議論へ 財務省

各国で検討が進められている紙幣や硬貨と同じように使えるデジタル通貨について、財務省は、来月にも日銀や関係する省庁が参加する連絡会議を設け、発行することになった場合の法律上の課題などについて議論を始める方針です。

デジタル通貨は中央銀行が発行する電子上の通貨で、財務省が設けた経済学者や弁護士らによる有識者会議は今月、「デジタル円」に関する論点整理の結果を公表しました。

この中では、仮に発行する場合には、
▽民間のキャッシュレス事業者と共存し、利便性を高める設計にすることや、
▽紙幣や硬貨の発行も続けることなどを求めています。

さらに、
▽個人情報の保護に配慮して日銀が決済情報を得るのは必要最小限にとどめ、仮に取得する場合も匿名化するなどの対応が必要だと指摘しました。

この論点整理を踏まえ、財務省は、来月にも日銀や関係する省庁を含めたデジタル円に関する連絡会議を設け、仮に発行することになった場合の法律上の課題などについて議論を始める方針です。

デジタル通貨をめぐっては、
▽中国がすでに実証実験を進めているほか、
▽ヨーロッパ中央銀行も「デジタルユーロ」の発行に向けた準備を本格化させています。

財務省や日銀は、デジタル円の発行は国民的な議論を経て判断されるもので、現時点で未定だとしていますが、怠りなく準備を進めておきたいとしています。