周庭氏を今後 指名手配か 香港警察“出頭せず保釈条件に違反”

香港の警察は、カナダに滞在している民主活動家の周庭氏が、指定した期日に出頭せず、保釈の条件に違反したと非難し、追及に全力を挙げる方針を示しました。今後、指名手配するとみられます。

流ちょうな日本語を使った発信などで知られる香港の民主活動家の周庭氏は、2020年、国家の安全に危害を加えたなどとして香港国家安全維持法に違反した疑いで逮捕されました。

その後、保釈され、今月3日、SNSへの投稿で、カナダに滞在し、現地の大学に通っていると明らかにしたうえで、香港には戻らないと表明していました。

ただ、香港の警察は、定期的に警察に出頭することを保釈の条件としていて、28日、出頭するよう要請していました。

これについて、香港の警察は29日、NHKの取材に対し、周氏は、指定した期日に出頭しなかったとしたうえで「保釈の条件に違反した。法律上の責任を逃れようとする恥ずべき行為だ」と強く非難しました。

そのうえで「彼女を裁きにかけるために全力を尽くす」として、追及に全力を挙げる方針を示しました。

香港の警察は、これまでも海外に滞在する活動家13人を指名手配するなどして海外での民主派の活動への締めつけを強めていて、周氏についても今後、指名手配するとみられます。

鍾翰林氏はイギリスで亡命を申請

すでに解散した香港の独立を主張する団体「学生動源」の元代表、鍾翰林氏は、29日、みずからのSNSへの投稿で、イギリスに渡り、亡命を申請したと明らかにしました。

鍾氏は、2020年香港国家安全維持法に違反した罪などで起訴されて実刑判決を受け、2023年6月に出所しました。

投稿によりますと、鍾氏は、出所後も警察当局から2週間から4週間ごとに面会を求められるなど厳重な監視下に置かれ、日頃会った人の名前や会話の内容などを聞かれたということです。

再び逮捕されるのではないかという恐怖の中で過ごし体調を崩していましたが、今月、当局から沖縄に行く許可を得て香港を離れ知人などと相談した上で、イギリス行きを決めたとしています。

香港の当局は、29日会見し、鍾氏の行動を非難したうえで、香港に戻るよう命令を出したことを明らかにしました。