“欧米当局者 ウクライナ領土奪還支援 見直し検討”米メディア

ロシア軍が侵攻を続けるウクライナをめぐり、アメリカのメディアは、欧米の当局者がウクライナのすべての領土奪還を支援する戦略について、停戦交渉を念頭に見直す検討をしていると伝えました。

アメリカの政治専門サイト「ポリティコ」は27日、アメリカとヨーロッパの当局者の話として、ウクライナがロシアに占領されたすべての領土を奪還することを支援してきたこれまでの戦略について、見直す検討をしていると伝えました。

反転攻勢に参加しているウクライナの兵力を、ロシア軍による激しい攻撃が続く東部に配置し、防衛を強化することなどについて協議しているということで、当局者は将来の停戦交渉でウクライナを優位にすることを目指したものだとしています。

ポリティコは停戦交渉はロシアに領土の一部を割譲することを意味するとしていますが、「ロシアとの交渉は計画されていない」という当局者の話も伝えています。

ウクライナのゼレンスキー大統領はこれまで、南部クリミアを含むすべての領土を奪還するまで長期戦も辞さない姿勢を示しています。

欧米側も揺るぎない支援をくりかえし強調していますが、戦闘が長期化し、各国で「支援疲れ」も指摘される中で、アメリカでは軍事支援の継続に必要な緊急予算が承認されない事態にも陥っています。