政府・与党 2日連続の安倍派議員の強制捜査で政権運営に危機感

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件で、安倍派の議員側が2日続けて検察の強制捜査を受けました。政府・与党は政権運営へのさらなる打撃は避けられないとして危機感を強めています。

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件で、検察は27日に、安倍派に所属する池田佳隆衆議院議員の関係先を捜索したのに続いて、28日は大野泰正参議院議員の事務所などを捜索しました。

岸田総理大臣は「強い危機感をもって政治の信頼回復に努めなければならない」と述べ、渡海政務調査会長も「年末年始に地元で国民の厳しい声を受け止めて、党の新しい組織での改革に向けた議論に反映させてほしい」と述べました。

一方で、安倍派の中堅、若手の間には「幹部も任意の聴取を受けるなど、派閥として対応を検討できる状況ではない」などとして、派閥の先行きを不安視する声が広がっています。

また、28日は、2023年4月に行われた東京の江東区長選挙の選挙運動の報酬として区議会議員らに現金を提供するなどしたとして、自民党を離党した柿沢前法務副大臣と秘書4人が公職選挙法違反の買収などの疑いで逮捕されました。

公明党の山口代表は「現職議員の逮捕は極めて遺憾だ。派閥の政治資金パーティーをめぐる事件の捜査も進んでおり、国民の信頼を取り戻す真摯(しんし)な努力が必要だ」と指摘するなど、政府・与党は政権運営へのさらなる打撃は避けられないとして危機感を強めています。

これに対し、野党側は批判を強めていて、立憲民主党の泉代表は「より政局が混とんとしてきた。2日続けて自民党の議員側に捜索が入るのは異常事態だ」と述べました。

また、共産党の小池書記局長は柿沢議員の逮捕について「買収という最もあってはならない嫌疑で、非常に重大だ」と述べ、議員辞職を求めました。