中国共産党が規則改正“習主席の方針から逸脱は処分対象”追加

中国共産党は、党員の汚職などを取り締まる規則を改正し、習近平国家主席が掲げる方針からの逸脱を処分の対象とすることなどを新たに追加しました。習主席への権力集中に対して党内の不満も指摘される中、引き締めを一層図るねらいとみられます。

中国共産党の「規律処分条例」は、党員の汚職や風紀の乱れなどを取り締まる規則で、中国の国営メディアが27日夜、改正内容を伝えました。

この中では「中国式現代化による強国建設と民族復興の偉業の全面的推進を厳しい規律で保障する」と新たに規定するなど、党員の規律を厳しくすることで習近平国家主席の理念を徹底させるものとなっています。

また、「『新しい発展』の理念に背き、『質の高い発展』の要求から逸脱した場合、最も重い処分として除籍となる」として、習主席の掲げる方針からの逸脱を処分の対象とする規定も新たに追加していて、習主席への忠誠をより一層求めるねらいがあるとみられます。

また、役職を退いた党員を取り締まりの対象とすることも新たに定められました。

中国では習主席への権力集中が進む一方で、一部の外国メディアは、かつての指導者や退職した幹部の子弟らを中心に習主席への不満も出ていると伝えています。

今回の改正では国民からの陳情への対応が不十分だった場合も処分するとしていて、習近平指導部としては、国民の支持も得ながら党内の引き締めを一層図るねらいとみられます。