【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(12月28日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる28日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ外相「ヨーロッパ諸国は戦争の戦い方を知らない」

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナのクレバ外相は、地元メディアとのインタビューで、欧米からの軍事支援に感謝の意を示した一方、「ヨーロッパ諸国は戦争の戦い方を知らない」などと述べて不満も示し、支援の強化を求めました。

ウクライナ空軍は28日、南部ザポリージャ州などでイラン製の無人機8機によるロシア軍の攻撃をうけ、このうち7機を撃墜したと発表しました。

一方、ウクライナのクレバ外相は地元メディアの「キーウ・インディペンデント」が27日に掲載したインタビューで、欧米からの軍事支援に改めて感謝の意を示しました。

その上で「ヨーロッパ諸国は戦争の戦い方を知らない。残念ながら私たちの友人は武器や弾薬の生産をいつ、どのように増やすかを議論することに、あまりにも多くの時間を費やしてしまった」と述べて不満も示し、軍事支援の強化と迅速な対応を求めました。

ウクライナ軍は、砲弾が不足していることや最新鋭の兵器が足りていないなど軍事支援が十分でないことで、ロシア軍との戦闘で戦術の変更も余儀なくされるなど、不利な状況に立たされているとしています。

一方のロシア側は、兵力や無人機を含む兵器の増強を進めていて、クレバ外相の発言はアメリカによるウクライナ支援の先行きも見通せない中で、いらだちを示すとともに改めて支援の強化を訴えた形です。

ウクライナ空軍 “ロシア軍黒海艦隊の大型揚陸艦を破壊”

ウクライナ軍が南部クリミアで行ったミサイル攻撃によってロシア軍の大型揚陸艦が破壊され、ロシアのメディアは乗員33人の行方が不明となっていると伝えるなど大きな被害が出た可能性が指摘されています。

ウクライナ空軍は26日、ロシアが一方的に併合した南部クリミアでロシア軍の黒海艦隊の大型揚陸艦「ノボチェルカスク」をミサイルで攻撃して破壊したと発表し、ロシア側も揚陸艦の損傷を認めました。

この攻撃でロシア側の当局は1人が死亡し、4人がけがをしたと発表していますが、ロシアの独立系メディア「アストラ」は27日、情報筋の話として、77人の乗員のうち33人の行方がわからず、19人がけがをしたと伝えました。

現場の残骸から攻撃にはイギリスなどが開発した巡航ミサイル「ストームシャドー」が使われたとみられていて、ロシア側に大きな被害が出た可能性が指摘されています。

一方、ウクライナのザルジニー総司令官は26日、ロシアの軍事侵攻後、初めて行った記者会見で「われわれは資源を必要としている。武器であり、弾薬であり、そして人々だ」と述べ、追加動員の必要性を訴えました。

ウクライナでは長期化する戦闘で兵士の不足に直面する中、徴兵年齢を27歳から25歳に引き下げるなど追加動員に関する法案が議会にあたる最高会議に提出されています。

ゼレンスキー大統領は今月19日に「軍は45万人から50万人の追加の動員が必要だと要求している」と述べていますが、これについてザルジニー総司令官は「軍はいかなる数字も要求していない」と否定しました。

ゼレンスキー大統領とザルジニー総司令官の間では最近、意見の食い違いが表面化するなど不協和音が生じているのではないかという指摘も出ています。

衛星画像では揚陸艦大破の様子も

人工衛星を運用するアメリカの企業「マクサー・テクノロジーズ」はウクライナ軍が南部クリミアでロシア軍の大型揚陸艦をミサイル攻撃で破壊したと発表したことに関連して、攻撃の前と後の様子を比較した衛星画像を公開しました。

12月5日にクリミアのフェオドシアを撮影した画像では、港に大型の揚陸艦が停泊している様子がわかりますが、26日に同じ場所を撮影した画像では、揚陸艦から煙がのぼり、原形がわからなくなるほど激しく損傷し、周辺の岸壁も黒く焼けたような様子が確認できます。

ロシア外務省 ザハロワ報道官 「パトリオット」巡り日本けん制

ロシア外務省のザハロワ報道官は、27日の記者会見で日本政府が地対空ミサイルシステム「パトリオット」をアメリカに輸出することについて聞かれ「最終的にウクライナに渡る可能性は排除できない」と主張しました。

その上で「その場合はロシアに対する明確な敵対行為とみなされ、2国間関係で日本にとって最も深刻な結果をもたらすことになると警告しておきたい」と述べ、日本をけん制しました。