新NISA 問われる金融リテラシー「お金に関する知識や判断力」

新NISA 問われる金融リテラシー「お金に関する知識や判断力」
シリーズでお伝えしている“新NISA”。今回のテーマは“金融リテラシー”、つまり「お金に関する知識や判断力」です。

新NISAにあわせて投資を始めたいけど、知識がないし、いったいどうすれば……そんな不安を感じる人もいると思います。“金融リテラシー”を向上させるには何が必要なのか考えてみます。
(経済部記者 斉藤光峻)

投資教育を受けた人「7%」

突然ですが問題です。
10万円投資すると、半々の確率で「2万円の値上がり益」か「1万円の値下がり損」が発生するとします。

「あなたは投資しますか」
これは日銀が事務局を務める金融広報中央委員会が2022年に18歳から79歳の3万人を対象にインターネットで行った「金融リテラシー調査」で対象者に聞いた質問です。

一定の収益が期待できるという見方もありますが、この調査では、74%が「投資しない」と回答しています。
日本人の投資スタンスは「保守的」、つまり「できるだけ損失を避けよう」とする傾向が強いと言えそうです。

損失を避けようとすること自体に問題があるわけではありませんが、金融の知識が十分でないことも投資に後ろ向きな要因の1つと指摘されています。

この調査の中では金融教育を受けた経験についても尋ねています。
「在籍した学校、大学、勤務先において生活設計や家計管理についての授業などの金融教育を受ける機会はありましたか」という質問に対し「受けた」と回答した人は7.1%にとどまっています。
一方「金融教育を学校で行うべきと思いますか」という質問には日本の71%が「行うべきと思う」と回答しています。

金融教育を受けたいというニーズが高いことがわかります。

2024年 “金融教育の中核組織”設立へ

こうしたことを受けて2022年4月から高校で金融教育が義務化されましたが、新たな組織も立ち上がります。

政府の後押しで2024年に設立される金融教育を進めるための新たな認可法人「金融経済教育推進機構」です。

これまで金融教育の旗振り役としては、金融庁や日銀、それに銀行や証券の業界団体がありましたが、それぞればらばらに取り組んできました。
こうした機能を機構に集約し、企業や学校などでの金融教育に取り組むほか、ライフプランの作成についてもアドバイスを提供することにしています。

このように金融教育の担い手のアドバイスを受けるということも金融リテラシーを高める上でのポイントとなりますが「みずから試してみる」ことが有効だという考え方もあります。

今は100円単位から投資できる金融商品もあり、少額投資を通じて投資やリスクについて学ぶことで、金融リテラシーの向上につながるという指摘もあります。

無理のない範囲で投資を始めることがライフプランを見つめ直すきっかけになるかもしれません。

そして、日々の経済ニュースや投資のリスクを“自分事として”とらえることができるようになるので、金融リテラシーを高めることにもつながると思います。

金融リテラシーをどう高めるか

最後に改めて金融リテラシーを向上させる意義がどこにあるのか考えてみます。

人生100年時代とも言われる中、私たちは高齢者になってもお金の問題から離れることはできません。
そこで判断を間違えると老後の生活に取り返しが付かないダメージを受けることになってしまいます。

どこにリスクが潜んでいるのかをしっかり把握し、財産を守りながら老後を安心して過ごすためにも、できるだけ早い段階からリテラシーを高めておくことが重要になります。

(2024年1月4日「おはよう日本」で放送予定)
経済部記者
斉藤 光峻
2017年入局
長野局を経て現所属
現在、金融業界を担当