ロシア 原油 石油製品輸出 欧州激減 中国 インドで80%以上に

ロシア政府は、主要産品である原油や石油製品の輸出のうち、40%程度を占めていたヨーロッパ諸国が激減し、ことしは中国とインドの2か国だけで80%以上に上るという見通しを示し、ウクライナへの軍事侵攻後、エネルギーの輸出先が大きく変化していることを明らかにしました。

ロシアでエネルギー政策を担当するノバク副首相は27日に放送された地元メディアとのインタビューでロシアの2023年の原油や石油製品の輸出で中国向けが45%から50%を占めたと明らかにしました。

さらに、ノバク副首相は「インドへの輸出はこれまでほとんどなかったがこの2年間で40%まで増えた」と述べ、中国とインドの2か国で輸出全体の80%以上を占めているとしています。

一方、ウクライナ侵攻前は40%から45%占めていたヨーロッパについては「4%から5%を超えることはない」と述べロシアのエネルギーの輸出先が大きく変化していることを明らかにしました。

アメリカ財務省はG7=主要7か国などによる制裁措置で、ロシア政府の石油などの税収は取引価格の下落などによってことし1月から11月までで、前の年の同じ時期と比べ32%減少したとしていますが、輸出先の変化が制裁の効果にどのような影響を及ぼすか、注目されています。