引退した東龍「相撲取りになってよかった 感謝でいっぱい」

大相撲の幕内経験者で25日に引退した36歳のベテラン、東龍が会見し、「相撲取りになってよかった。感謝の気持ちでいっぱい」と率直な思いを話しました。

モンゴル出身の36歳、玉ノ井部屋の東龍は、身長1メートル90センチを超える体格を生かした四つ相撲などを持ち味に、平成25年の初場所で新十両となると、平成27年の九州場所以降は、幕内と十両を行き来しながらも、関取の地位を守り続けました。

しかし、西の十両14枚目で迎えた11月の九州場所は、左ひざのけがのため、2日目から休場し、1月の初場所の番付では、およそ8年ぶりに幕下に下がっていました。

25日に引退した東龍は、27日に東京 両国の国技館で会見し、「いろいろな人から『お疲れさま』と言われ、少しさみしい気持ちだ。いろいろな人に応援されて愛されて、相撲取りになってよかった。感謝の気持ちでいっぱい」と率直な思いを話しました。

そのうえで、平成26年の名古屋場所での右ひざのけがのあと、けがをかばいながら相撲を取ってきたことが、今回のけがにつながったことを明かし、「右ひざをけがして、その時点で終わっていた力士人生かもしれないが、そこから10年近く相撲を取れたので悔いはない」と涙を浮かべながら、力士人生を振り返りました。

また、今後は日本相撲協会に残らないということで、「日本に残って日本とモンゴルの懸け橋になりたい」と話していました。

同席した師匠の元大関 栃東の玉ノ井親方は「15年間よく頑張った。稽古は誰よりも毎日コツコツとやっていたし、部屋では一番長く関取をやっていた。いろんな面から力士を支えてもらってありがたかった」と話していました。