学校のデジタル化進まず「業務にFAXを使用」9割以上に

学校のデジタル化の状況を文部科学省が調べたところ、保護者とのやりとりでは多くの場面で進んでいないほか、業務にFAXを使用している学校は9割以上ありました。文部科学省は教員の負担軽減に向け改善を促すことにしています。

教員の働き方をめぐり、文部科学省の特別部会は、クラウドツールを活用した負担軽減や、保護者との連絡の原則デジタル化などを提言していて、文部科学省はことし9月から11月にかけ、全国の教育委員会や公立の小中学校に取り組み状況を調査しました。

この中で、クラウドツールを活用して「完全に」もしくは「半分以上」デジタル化している学校は、「保護者から学校への資料の提出」では9%に、「学校からのお便りなどの配付」では33%などと、保護者とのやりとりの多くの場面で低くなりました。

また、教員に個人のメールアドレスを付与していない学校が22%、業務でFAXを利用すると回答した学校は96%で、送信先を複数回答で聞くと、民間事業者が70%、教育委員会が58%でした。

政府の「デジタル行財政改革会議」は今月まとめた中間報告で、小中学校でFAXの事務連絡や紙の出勤簿への押印を、再来年度中に原則廃止するなどとしていて、文部科学省は3年程度を集中取り組み期間とし、改善を促すことにしています。