食料安全保障強化へ “農政の憲法”改正案など提出目指す 政府

ロシアによるウクライナ侵攻や気候変動などで、世界的に食料の安定的な確保が課題となる中、政府は、食料安全保障の強化に向けた今後の政策の全体像を決定しました。来年の通常国会に“農政の憲法”とされる「食料・農業・農村基本法」の改正案や食料不足への対応を盛り込んだ法案などの提出を目指すとしています。

政府は27日、総理大臣官邸で岸田総理大臣や坂本農林水産大臣らが出席する会議を開き、今後の食料や農業に関する政策の全体像を決定しました。

それによりますと、食料安全保障を強化するとともに環境に配慮した農業への転換を図る観点などから、来年の通常国会に“農政の憲法”とされる「食料・農業・農村基本法」の改正案の提出を目指すとしています。

また、
▽食料が不足した場合に政府が民間の事業者に対し、増産の要請などができるようにすることを盛り込んだ法案や、
▽農業の担い手不足への対策として、最新のIT技術などを使った「スマート農業」を推進するための法案も来年の通常国会への提出を目指すとしています。

会議の中で岸田総理大臣は、「食料や肥料の世界的な需給変動、環境問題や国内の担い手不足といった社会課題を正面から捉え、これらの克服を地域の成長へとつなげるため、農政を抜本的に見直す」と述べました。