ダイハツ 本社工場も稼働停止 国内の全自動車工場で生産停止

国の認証取得の不正問題で、「ダイハツ工業」は26日、大阪 池田市の本社工場も稼働を停止し、国内すべての自動車工場で車の生産を停止しました。会社は従業員に対し、夜間の時間帯については当面、休業手当を支給する方針ですが、再開のめどが立たない中、今後の対応は決まっていないとしています。

ダイハツ工業は、国の認証取得の不正問題で、新たに64車種で174件の不正が見つかったことを受けて25日、
▽滋賀県にある滋賀工場、
▽京都府にある京都工場、
▽子会社のダイハツ九州の大分県にある大分工場の稼働を停止し、
26日、大阪 池田市にある本社工場も稼働を停止したことで国内に4つあるすべての自動車工場で車の生産を停止しました。

会社は工場で働く従業員には当面、清掃や設備のメンテナンスなどの業務にあたってもらうとしています。

4つの自動車工場では、池田市の本社工場をのぞいて夜間の操業が行われていましたが、このうち、
▽滋賀工場と京都工場では夜間の時間帯は清掃などの業務を行わず、当面、休業手当を支給する方針です。

▽また、大分工場では年明け以降から当面、夜間の時間帯の勤務を取りやめ、対象の従業員には休業手当を支給する方針です。

ただ、稼働の再開のめどがたたない中、会社は、こうした清掃などの業務がいつまで続くかは未定で、そのあとの対応は決まっていないとしています。

ダイハツは、エンジンと部品を生産する福岡県の久留米工場も含めて、国内のすべての工場で一部の部品の生産ラインを除いて稼働を停止する異例の事態となり、間接的な下請け企業も含めた全国各地の多くの取引先など地域経済への影響は避けられない見通しです。

ダイハツは、「ご心配とご迷惑をおかけし改めておわび申し上げます。取引先の困りごとにきめ細かく対応していきたい」としています。

本社工場の従業員は

大阪 池田市の本社工場に勤める従業員は「不正という大きな事件があったので工場の稼働停止は仕方ないと思います。会社からは補償や今後の対応について説明があったので、まずはそれを信じてみようと思います。これをきっかけに会社全体が再生してほしいです」と話していました。

また、別の従業員は「きょう、どんな仕事をするかは聞いていないので行ってみないとわかりません。自分の生活もそうですし、工場がいつ稼働を再開できるのかやダイハツが存続できるのかといった不安もあります」と話していました。

滋賀県知事“県の経済に与える影響 極めて大きくなるか”

滋賀県竜王町の自動車工場が25日に稼働を停止したことについて、滋賀県の三日月知事は26日の記者会見で「認証制度の根幹を揺るがす行為が行われていたと指摘されていることは極めて遺憾に思う。県の経済に与える影響が極めて大きくなることも想定される」と述べました。

そのうえで、三日月知事は27日、滋賀県庁で対策会議を開き、取引先の企業の情報収集や、支援策の検討などを進める方針を明らかにしました。

近畿経済産業局 関連企業からの相談窓口設置

関西にある3つの自動車工場の稼働を停止したことなどを受けて、近畿経済産業局は、関連する中小企業からの相談を受け付ける窓口を設置しました。

国の認証取得の不正問題で、ダイハツ工業は関西では、
▽25日に滋賀工場と京都工場で
▽26日は、大阪 池田市の本社工場で車の生産を停止しました。

会社は、直接取り引きがある部品メーカー423社を対象に売り上げの減少分などの補償を検討するとしています。

こうした中、近畿経済産業局はこうした部品メーカーと取り引きがある下請けのメーカーや、間接的な取引先などの経営への影響が懸念されるとして、きょう、局内に中小企業向けの相談窓口を設置しました。

窓口では、企業の資金繰りや雇用の維持についての相談を受け付けることにしています。

近畿経済産業局の辻敦士 製造産業課長は「ダイハツ工業では全車種が出荷停止となっていて、かなりの中小企業の経営に影響があると思う。それぞれの企業が困っている実態を聞き取って、今後の対策につなげていきたい」と話していました。

窓口では
▽平日の午前9時半から正午までと
▽午後1時から午後5時まで
相談を受け付けています。

電話番号は06-6966-6106です。