奄美群島 日本復帰25日で70年 記念式典で記憶の継承を誓う

戦後、アメリカ軍に統治されていた奄美群島が日本に復帰して25日で70年です。奄美大島では記念式典が開かれ、復帰運動に力を尽くした先人の苦労をしのび記憶の継承を誓いました。

奄美群島は戦後、沖縄などとともにアメリカ軍の統治下に置かれ、本土との往来が制限されたほか厳しい経済統制のもと深刻な食糧難に陥り人々の生活は困窮を極めました。

そして、島ぐるみの激しい復帰運動の末、70年前の1953年12月25日に日本に返還されました。

25日夜、鹿児島県奄美市の名瀬小学校で記念式典が開かれ、およそ1600人が参加しました。

奄美市の安田壮平市長は「平和を祈り団結し、争うことなく復帰を成し遂げたこの運動は大変意義深く、混とんとする今の時代だからこそ世界に発信すべき史実だ。復帰運動が後世に長く語り継がれることを祈念する」とあいさつしました。

また、名瀬小学校の子どもたちが復帰運動を率いた詩人、泉芳朗がハンガーストライキをしながら島民に団結を呼びかけた詩「断食悲願」を朗読しました。

そして、参加者全員で日本復帰を祝って作られた歌「朝はあけたり」を合唱しました。

このあと70年前、ちょうちんをともして街を歩いて復帰を祝ったことを再現し、手作りのちょうちんを手に繁華街を練り歩きました。

参加した40代の男性は「復帰運動の歴史に後世に語り継いでいきたい」と話していました。