バイクの少年に警棒接触で失明 警察官に罰金100万円 那覇地裁

2022年1月、沖縄県沖縄市の路上でバイクに乗っていた高校生を職務質問のため止めようとして、警棒を接触させ失明などの大けがをさせた罪に問われた警察官に対し、那覇地方裁判所は「基本的な注意義務に反し傷害の結果は重大だ」などとして、罰金100万円の有罪判決を言い渡しました。

沖縄警察署の巡査だった前田光介被告(31)は、2022年1月27日の未明、沖縄市の路上を歩いてパトロールしていた際、当時17歳の男子高校生が運転するバイクを、職務質問のため止めようとして、右手に持っていた警棒を接触させ、失明や顔を骨折するなどの大けがをさせたとして業務上過失傷害の罪に問われました。

12月25日の判決で、那覇地方裁判所の佐藤哲郎裁判長は「とっさの出来事とはいえ、警察官に課せられた基本的な注意義務に反していて傷害の結果は重大だ。失明したことで、車の運転やスポーツなど普通の人が普通にできることもできなくなってしまったという被害者の心痛は計り知れない」などと指摘し、求刑どおり罰金100万円を言い渡しました。

この事件をきっかけに、沖縄警察署には大勢の若者が集まり、捜査車両などに石や空き瓶が投げられるなどして、その後、少年ら15人が暴力行為等処罰法違反の集団的器物損壊の疑いで検挙されました。

被害者側弁護士 被害者は「処分が軽すぎる」

被害者側の弁護士によりますと、被害者は無言で淡々と判決を聞いたうえで、「求刑を超える判断があってもいいのではないかという期待もあったが、失明という被害に対して処分が軽すぎる」と話したということです。