今年度の公立教員採用倍率3.4倍と過去最低 小学校は5年連続で

今年度採用された公立学校の教員の採用倍率は3.4倍と、過去最低となったことが国の調査でわかりました。中でも小学校は2.3倍と低く、5年連続で過去最低となっています。

文部科学省によりますと、今年度採用された公立の小中学校や高校などの教員の採用試験では
▽受験者数は12万1132人で、前の年度より5258人減少した一方、
▽採用者数は1666人増えて3万5981人でした。

全体の採用倍率は3.4倍で、前の年度の3.7倍から低下し、2年連続で過去最低となりました。

中でも小学校は2.3倍と、前の年度の2.5倍から低下し、5年連続で過去最低となりました。

自治体別では最も低かった秋田県と大分県が1.3倍など、政令市を含め20の自治体で2倍を下回りました。

また
▽中学校の採用倍率は4.3倍
▽高校は4.9倍と
いずれも前の年度よりも低下しました。

教員の採用倍率は、過去最高の13.3倍だった2000年度から低下傾向が続いていて、文部科学省は、子どもの数が多かった時期に採用された教員が、一斉に定年退職の時期を迎え、採用者数は増加する一方、既卒の受験者数が減少していることが背景にあるとしています。

文部科学省は、採用倍率の低下は、教員の質に関わるとして、
▽採用試験の前倒しなど実施方法の改善を促すほか、
▽働き方改革の加速や処遇の改善など、教員志望者の増加に向けて取り組むとしています。