奄美群島 日本復帰70年 復帰運動に尽力した先人の苦労をしのぶ

戦後、アメリカ軍に統治されていた奄美群島が日本に復帰して25日で70年です。奄美大島では、地元の人たちが集会を開き、復帰運動に力を尽くした先人の苦労をしのびました。

戦後、奄美群島はアメリカ軍の統治下に置かれ、本土との行き来が制限されたほか、配給制のもと慢性的な食糧不足に陥るなど困難が続きましたが、激しい復帰運動を経て、70年前の1953年12月25日に日本に返還されました。

復帰記念碑が立つ奄美市名瀬のおがみ山には、25日午前中、復帰運動を経験した人たちやその家族などおよそ80人が集まりました。

そして、アメリカ軍の統治下、復帰を求める集会などで歌われた「日本復帰の歌」を全員で合唱し、先人の苦労をしのびました。

このあと、署名活動や断食など非暴力・不服従の姿勢で復帰運動を率いた詩人、泉芳朗の銅像に花をたむけました。

復帰当時8歳だった松田久子さんは「食べるものにとても苦労した当時の様子を思い出しました」と話していました。

また、復帰当時2歳だった内一人さんは「貧しい中での復帰運動は大変だったと両親から聞いて育ちました。復帰の歴史が語り継がれてほしいです」と話していました。