“キリスト生誕の地”ベツレヘムでクリスマスのミサ 平和祈る

イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突で犠牲者が増え続けるなか、中東のベツレヘムでクリスマスのミサが行われ、人々は平和への祈りをささげました。

パレスチナ暫定自治区のベツレヘムには、キリスト生誕の地に建つとされる「聖誕教会」があり、25日、恒例のクリスマスのミサが行われました。

ミサのなかでピッツァバッラ総大司教は「ことしのクリスマスには喜びと平和はない。2万人以上が犠牲になり、多くの人が避難生活を送るガザ地区に思いをはせている。政治的なことに立ち入りたくはないが、言わねばならない。停戦について話すだけでなく暴力の応酬を完全に止めなければいけない。暴力は暴力を生み出すだけだ」と説きました。

10月7日のハマスによる大規模な攻撃以降、イスラエルとハマスの衝突が続き、ガザ地区の保健当局によりますとイスラエル軍の攻撃でパレスチナ人2万人以上が死亡しています。

また、国連機関のまとめではヨルダン川西岸と東エルサレムでもイスラエルの治安部隊との衝突などでパレスチナ人293人が死亡し、死者の数は2005年以降で最悪の水準となっています。

かつてない規模の犠牲者が出るなかで、教会に集まった地元のキリスト教徒や各地からの巡礼者は平和への祈りをささげていました。