“宇宙初期は星が次々誕生するメカニズム存在か”東大など

誕生から4億年後の宇宙に明るく輝く銀河を発見したと東京大学などの研究グループが発表し、宇宙の初期には星が次々に誕生するメカニズムが存在した可能性などを示すものとして注目されます。

東京大学の播金優一助教などの研究チームは、去年から本格的な運用が始まった高性能の宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」に搭載された赤外線の検出装置のデータをもとに、銀河から光が放たれた年代を調べました。

その結果、宇宙の誕生から4億年たった134億年前の初期の宇宙に明るく輝く2つの銀河を発見しました。

銀河の明るさから計算すると、この時代の宇宙では現在考えられている予測の4倍以上の星が誕生していることになり、宇宙の初期には次々に星が誕生するメカニズムが存在した可能性などが考えられるとしています。

研究グループによりますと「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の登場によって、宇宙の誕生から3億年から4億年後の間には5つの銀河が確認されるなど新たな発見が相次いでいて、謎が多い初期の宇宙の解明が進むと期待されています。

播金助教は「銀河の形成過程の通説の再考を迫るような結果です。『ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡』によって想像しなかったことが次々と分かってきていて、天文学の革命が起きている状況になっています」と話していました。