アイスランド 噴火活動収まるも市民生活への影響長期化の懸念

世界有数の火山国として知られる北欧アイスランドの南西部で12月18日に発生した火山の噴火活動は収まってきました。ただ、気象当局は、状況が急速に変化するおそれがあるなどとしていて、市民生活への影響が長期化することが懸念されています。

アイスランドの気象当局によりますと、12月18日夜、南西部の町グリンダビークから北東におよそ4キロ内陸部にある火山で噴火が発生しました。

一時、オレンジ色の溶岩が噴き出し、高い噴煙が上がるなどしたものの21日の観測によりますと「噴火活動は確認されていない」ということで、噴火活動は収まってきました。

多くの住民が近くの町などに避難していますが、21日、グリンダビークでは、およそ4000人を対象に日中に限って一時帰宅が許可されました。

中には、避難生活の長期化を見越して家財道具などを車に詰め込む人もいました。

住民の1人は「ことしはいつもと違うクリスマスになりそうです。来年、来月には帰ってくることを考えられればいいと思っています」と話していました。

被災地では、道路が大きく陥没するなどインフラへの被害も相次いでいます。

気象当局は、噴火の終息を宣言するには時期尚早だとしているほか、22日発表した危険度マップでは、グリンダビークについて依然として危険度は高いままで状況が急速に変化するおそれがあるとしていて、市民生活への影響が長期化することが懸念されています。