来年度予算案決定 国債費過去最大 厳しい財政状況続く

政府は、22日、一般会計の総額が112兆円余りとなる来年度予算案を決定しました。このうち国債の償還や利払いに充てる国債費はおよそ27兆円と過去最大で、金利の上昇がさらに進めば利払い費の一段の増加も懸念され、厳しい財政状況が続きます。

22日決定された政府の来年度予算案は、一般会計の総額が112兆717億円で、過去最大だった今年度の当初予算は下回るものの、過去2番目の規模となりました。

社会保障費が37兆7000億円余り、防衛費も7兆9000億円余りと今年度の当初予算を上回りました。

さらに、国債の償還や利払いに充てる国債費もおよそ27兆円と過去最大になり、歳出全体のほぼ4分の1がこれまでの借金の返済に充てられる計算です。

国債の発行残高が膨らみ続ける中、これまで金利を低い水準に操作する日銀の政策によって利払いに関する費用は抑えられてきました。

しかし、ことし日銀が政策を柔軟化したことで上昇を続けた長期金利がさらに高い水準に動けば、利払い費が一段と増加することも懸念されます。

その場合、政策に使える予算を圧迫することにつながり、厳しい財政状況が続きます。

政府には一層の歳出改革を進めるとともに、経済成長などによって税収を増やすことで国債の発行を減らし、財政健全化を進めていくことが求められます。