職員や家族から虐待受けた障害者 全国3482人と過去最多に

昨年度、全国の自治体に寄せられた、福祉施設の職員や家族などから虐待を受けた障害者は、全国で合わせて3482人に上り過去最多となったことが厚生労働省のまとめでわかりました。

厚生労働省によりますと、昨年度全国の自治体に寄せられた、福祉施設の職員や家族などが障害者に対して行った虐待の通報件数は、合わせて1万2754件でした。

このうち、自治体が虐待と判断した件数は3079件で、虐待を受けた人数は3482人でした。

いずれの件数、人数とも、統計を取り始めた平成24年度から最も多くなりました。

また、福祉施設の職員から虐待を受けたいずれも知的障害の男性2人と、夫から虐待を受けた精神障害の女性のあわせて3人が虐待で亡くなったということです。

障害別では、知的障害者が最も多い1939人(48.4%)で、全体のおよそ半数を占めました。

虐待と判断したケースを福祉施設の種類別でみると、最も多かったのがグループホームの252件、次いで入所施設が214件で、障害者の暮らしの場での虐待が目立ちました。

厚生労働省は「虐待防止の認識が浸透し、通報件数が増えていることも増加の背景にあるとみられるが今後も対策を進めていきたい」としています。