【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(12月23日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる23日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

“プリゴジン氏の死亡 プーチン大統領の最側近が暗殺指示” 米紙

アメリカの有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルは22日、ことし8月にロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者のプリゴジン氏が乗っていた自家用ジェット機が墜落して死亡したことについて、西側の複数の情報機関やロシアの元当局者の話として、プーチン大統領の最側近が指示した暗殺だったと報じました。

暗殺を命じたのはパトルシェフ安全保障会議書記で、2か月かけた計画にもとづいてプリゴジン氏の自家用ジェットがモスクワの空港で離陸前の安全確認のために待機している際に主翼の下に小型爆弾が仕掛けられたとしています。

計画を知らされたプーチン大統領は反対しなかったということです。

パトルシェフ書記はウクライナでワグネルの果たす役割が大きくなるにつれてプリゴジン氏の影響力が拡大することに警戒感を強めていたということで、ことし6月にプリゴジン氏が起こした武装反乱を暗殺の「機会」と捉えたとしています。

この報道についてロシア大統領府のペスコフ報道官は22日「残念ながら、ウォール・ストリート・ジャーナルは安っぽい小説を考えつくのが好きなようだ」と述べて完全に否定しています。

ウクライナ軍 “ロシアの戦闘爆撃機3機を撃墜”と発表

ロシアとウクライナの双方で無人機による攻撃が続くなか、ウクライナ軍はロシアの戦闘爆撃機3機を撃墜したと発表し、計画された作戦だと成果を強調しました。

ウクライナ空軍は22日、ロシア軍がひと晩にイラン製の無人機28機で攻撃を仕掛け、キーウ州や南部オデーサ州、北西部ジトーミル州などの上空で24機を撃墜したと発表しました。

ただ、首都キーウの市当局などによりますと、撃墜した無人機の破片が複数の集合住宅を直撃して火災が発生し、少なくとも2人がけがをしたということです。

一方、ロシア国防省は22日、首都モスクワの近郊や、モスクワ州に隣接するカルーガ州であわせて5機のウクライナの無人機が飛来していずれも迎撃したと発表し、双方で無人機による攻撃が続いています。

こうした中、ウクライナ空軍の司令官は、南部でロシア軍のスホイ34戦闘爆撃機3機を撃墜したとSNSに投稿しました。

ことし5月にウクライナと国境を接するロシア西部でスホイ34が墜落したのに続くものだと伝えられていて、ウクライナ政府で安全保障政策を担当する国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は地元メディアに対して、今回の撃墜は綿密に計画された作戦だったと成果を強調しました。

アメリカ ロシア軍需産業取り引きの第三国金融機関も制裁対象に

アメリカのバイデン政権はウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアの軍需産業と取り引きのある、第三国の金融機関に対しても制裁を科すことができる新たな大統領令を発表しました。

アメリカのバイデン政権は22日、軍事侵攻を続けるロシアへの制裁を強化するため、新たな大統領令を発表しました。

それによりますと新たにロシアの軍需産業と取り引きがある金融機関に制裁を科すとしていて、対象には第三国の金融機関も含まれ、違反した機関は海外送金を行う際にアメリカの金融機関の利用を制限されるとしています。

バイデン政権の高官は欧米の金融機関についてはすでにほとんどがロシアとの取り引きから撤退しているものの、新たな制裁によって、ロシアが第三国を通じて兵器を製造するための物資を調達できないようにするとしています。

ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は声明で「ロシアによる不法な戦争を支援する者は誰であってもアメリカの金融システムにアクセスできなくなるリスクがある」と警告しています。

ウクライナ 爆発物探知などで活躍の犬を表彰

ウクライナで、22日、爆発物の探知や国境の警備などで活躍している犬たちを表彰するイベントが開かれました。

このイベントは、ウクライナで犬の訓練を行う団体などが首都キーウで開きました。

団体は、爆発物の探知や要人の警護、それに傷ついた兵士の心のケアなど、ロシアの軍事侵攻後、各地でさまざまな仕事をしている犬たちをたたえるカレンダーを作成しました。

イベントでは、カレンダーの各月に登場する犬たちが訓練士とともにステージに上がり、メダルや犬用のおもちゃなどが贈られていました。

訓練士のひとり、アリナ・パニナさんは、東部の要衝、マリウポリの港で任務に当たっていたところ、ロシア軍の攻撃を受け、2匹の犬とともに半年間にわたって捕虜となったということです。

その後、パニナさんは解放されましたが、2匹の犬はいまもロシアにとらわれたままだということで、カレンダーにはおりに入れられた2匹の犬に思いをはせるパニナさんの姿が描かれています。

現在は、新たなパートナーの犬とともに国境で薬物の探知などの仕事を続けているということです。

パニナさんは「彼らとは一心同体で、捕虜になっている間、食べ物を分け合って生き延びました。いつか2匹を取り戻せることを願っています」と話していました。