海保 新人乗組員の自殺 パワハラ原因 当時の上司2人懲戒処分に

おととし、沖縄県の宮古島海上保安部の巡視船で、新人の乗組員が自殺を図り、その後、死亡していたことがわかりました。第11管区海上保安本部は、当時の上司2人のパワーハラスメントが原因の1つだとして、2人を停職などの懲戒処分にしました。

第11管区海上保安本部によりますと、亡くなったのは、宮古島海上保安部に所属していた新人の20代の男性乗組員です。

おととし4月から6月にかけて、同じ巡視船に乗っていた44歳の上司から、宮古島の方言で「大ばか者」を意味することばが書かれたテープをヘルメットに貼られたり、ズボンや靴、財布を海に投げ捨てられたりするなどのパワハラ行為を受けていたということです。

また、46歳の上司からは、6月下旬に大勢の前で激しく叱責され、さらに「遺書を書け」という趣旨のことばを言われていたということです。

その数日後、男性乗組員は、巡視船の居室で自殺を図り、病院に運ばれましたが亡くなりました。

海上保安本部は、2人のパワハラ行為が自殺の原因の1つだとして、22日付けで、いずれも当時の44歳の上司を停職2か月、46歳の上司を減給2か月の懲戒処分にしました。

また、船長と機関長などを説諭処分にしました。

男性乗組員は、亡くなるおよそ3か月前に巡視船に配属されたばかりだったということです。

第11管区海上保安本部の島谷邦博本部長は「職員が悩み自死に至ったことは痛恨の極みです。二度とこのような悲劇を繰り返さないようハラスメントの防止および服務規律の徹底を図っていく所存です」とコメントしています。