原発事故賠償費 立て替え財源 交付国債の発行枠引き上げ

東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う賠償などの費用が膨らみ、政府は支払いの立て替えの財源となる交付国債の発行枠を引き上げました。決定を受けて、東京電力の小早川智明社長は、資金の確保に向けて経営改革を実行していく考えを強調しました。

福島第一原発の事故に伴う賠償などの費用が膨らむ見込みとなっていることから政府は22日、東京電力の支払いを立て替える財源となる交付国債の発行枠を1兆9000億円増やし、15兆4000億円へと引き上げることを決めました。

決定を受けて、東京電力の小林喜光会長と小早川智明社長が経済産業省を訪れ、齋藤経済産業大臣と面会しました。

この中で、小早川社長は「福島への責任を果たすための資金を確実に確保できるよう経営改革の実行に向けてグループ総力を挙げて取り組んでまいります」と述べ、収益の改善に取り組む考えを強調しました。

また、福島第一原発で複数の作業員が放射性物質を含む廃液を浴びるなどのトラブルが相次いでいることについて、齋藤大臣から「地元や社会の信頼を失うことにつながりかねない」と指摘されたことに対し、小早川社長は「地元や社会の信頼を失うことのないよう緊張感を持って安全最優先で着実に廃炉を推進してまいります」と述べました。