防衛省 陸将補を2階級降格の懲戒処分 部下5人にパワハラ

防衛省は、50代の陸将補が部下に繰り返し暴言を浴びせるパワーハラスメントを行い、このうち5人が精神的な疾患を患う一因となったとして、2階級降格の懲戒処分にしました。

防衛省によりますと、50代の陸将補は、2020年3月ごろから去年12月ごろまでの間、当時勤務していた部隊で、複数の部下に対して「階級章を外せ」などと暴言を繰り返し、このうち5人は通院が必要となる精神的な疾患を患って休職したということです。

防衛省は、陸将補のパワーハラスメントが一因となったとして、22日付けで2等陸佐に2階級降格させる懲戒処分にしました。

ハラスメントを理由に降格の懲戒処分としたのは陸上自衛隊では初めてだということです。

また、防衛省は50代の海将補が、おととし12月から去年12月にかけて、部下に対して「一生許さない」と発言して精神的苦痛を与えるなどのパワーハラスメントを行ったとして、減給2か月の懲戒処分にしました。

いずれも防衛省がハラスメントの実態を把握するために行った特別防衛監察の中で被害の申し出があったということです。

また、防衛省は特別防衛監察で申し出があった1325件の対応状況を公表し、22日までに207件の被害を確認して129人を懲戒処分にしたほか、116人を口頭注意などの処分にしたということです。

懲戒処分の内訳は
▽免職が2人
▽降格が4人
▽停職が67人などです。

防衛省によりますと、申し出のうち52件は事実確認などを続けていて、調査を進めるとともに、ハラスメントの防止を図るとしています。