東京 ごみ処理施設火事で緊急事態 “年末粗大ごみ廃棄控えて”

東京23区の粗大ごみを処理する江東区の施設で、先月、リチウムイオン電池が原因と見られる火事が起きて稼働が停止し、緊急事態となっているとして、ごみ処理を行う組合は、年末の大掃除では粗大ごみを極力廃棄しないよう呼びかけています。

東京23区のごみ処理を行う組合によりますと、先月、江東区にある粗大ごみを破砕処理する施設のごみを運ぶコンベヤーで火事があり、ごみと鉄を選別する機器などが焼けたということです。

処理したごみの中からは複数のリチウムイオン電池が見つかり、組合は電池が発火したことで火事が起きたとみています。

この影響で、施設の稼働は停止していて、粗大ごみについては同じ敷地内にあるガラスや小型家電などの不燃ごみの処理施設で対応していますが、同じようなトラブルが起きて、稼働できなくなった場合は、いずれのごみも受け入れができなくなるということです。

このため、組合は緊急事態だとして、年末の大掃除では粗大ごみを極力廃棄しないこと、リチウムイオン電池は分別して住んでいる自治体に応じた処分をすることを呼びかけています。

東京二十三区清掃一部事務組合中防処理施設管理事務所の古舘陽所長は「急いで出す必要のない粗大ごみについては、施設が仮復旧する来年2月ごろまで処分を待っていただけるとありがたい」と話しています。

【動画あり】バッテリーから出火

リチウムイオン電池が搭載されたバッテリーから出火したときの様子が写った防犯カメラの映像です。

事務所の倉庫内でビデオカメラ用のバッテリーを充電していたところ、「バンッ」という連続した破裂音と同時に画面全体が明るくなり、上から火を噴いているバッテリーが落下してきます。

バッテリーはしばらく燃え続けたあと「シュー」という音とともに白い煙が出て、次の瞬間、爆発して、火花が周囲に飛び散ります。

その後も爆発音がしたり、火花が飛び散ったりして倉庫内に煙が充満しました。

当時、倉庫内に人はおらず、けが人はいませんでした。

東京消防庁によりますと、充電に使用した充電器は、純正品ではなく、非純正品だったということです。

【動画あり】回収中のごみ袋で出火

可燃ごみの回収中に、ごみ袋の中に入ったリチウムイオン電池から出火したときの映像です。

ごみ収集の作業員がごみ袋を回収車の中に入れたところ、煙が出たため車両の後方に移動させたということです。

煙の量が多くなり、しばらくすると炎が上がって、その後、勢いを増していく様子が確認できます。

東京消防庁によりますと、ごみ袋にはポータブル電源が入っていて、リチウムイオン電池が搭載された内部のバッテリーがショートして出火したとみられています。