大型トラック 高速道路での最高速度 時速90キロに引き上げへ

トラックドライバーの時間外労働の規制強化で物流の人手不足などが深刻になるいわゆる「2024年問題」への対応が求められる中、警察庁は、大型トラックの高速道路での最高速度を、2024年4月までに現在の時速80キロから時速90キロに引き上げる方針を固めました。

物流業界では来年、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の規制が強化されることにともない、人手不足の深刻化や、輸送量の減少が懸念されています。

こうしたいわゆる「2024年問題」に対応するため、警察庁はことし7月、有識者会議を設置して、大型トラックの高速道路での最高速度の引き上げについて、議論してきました。

有識者会議が実施したヒアリングでは、運送事業者から「最高速度の引き上げが輸送品質や労働生産性の向上につながる」などという、意見が出ました。

また、高速道路での走行速度の調査、衝突被害軽減ブレーキなど安全装置の普及状況などから、有識者会議は、「大型トラックの最高速度を時速90キロまで引き上げても安全に大きな影響はない」と結論づけました。

これを踏まえ、警察庁では2024年4月までに、総重量が8トン以上のトラックについて、法定速度を規定した道路交通法の施行令を改正する方針です。

一方、トレーラーについては、車両の構造や交通事故の発生件数などを考慮し、最高速度の引き上げは見送られました。