日銀 金融政策決定会合 議事要旨を公表 委員の意見分かれる

日銀はことし10月の金融政策決定会合で、長期金利が1%を一定程度超えても容認することを決めましたが、その際の議事要旨が公表されました。委員たちの間で金融緩和策の出口に向けた市場への情報発信をめぐって意見が分かれるなど、活発な議論が交わされていたことがわかりました。

日銀は、ことし10月の会合で大規模な金融緩和策を維持したうえで、長期金利の上限を「1%をめど」と見直し、運用をより柔軟化することを決めました。

22日に公表された議事要旨によりますと、この決定について委員から「緩和効果と副作用のバランスとしては運用を柔軟化することが適切である」などという意見が出ていました。

そのうえで委員からは「今回の対応案などが出口へつながりうる点を強く否定するべきではない」という意見や「今回の措置にイールドカーブコントロール=長短金利操作とマイナス金利の撤廃に向けた準備という意図はない点は明確に示す必要がある」という意見が出されました。

市場で、日銀が近く金融政策の転換に踏み切るという見方もある中、委員たちの間で市場への情報発信のあり方で、活発な議論が交わされていることを示しています。

また、この会合で示された消費者物価の見通しでは、今年度からの3年間の予測がいずれも上方修正されましたが、多くの委員は賃金と物価の好循環の強まりを見極める上では来年の春闘での賃上げの実現に加え、賃金上昇が物価に波及していくか確認することも重要との認識を示したとしています。