ロシア軍参謀総長「ウクライナ軍の反転攻勢は失敗」と主張

ウクライナへの軍事侵攻の指揮を執るロシア軍のゲラシモフ参謀総長は、モスクワに駐在する各国の武官を前に「ウクライナ軍による反転攻勢は失敗に終わった」と主張し、ウクライナ側の士気をくじくねらいもあるとみられます。

ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は21日、首都モスクワで各国の駐在武官に対して、ことしの活動を総括し、この中でウクライナ軍がことし6月に開始した大規模な反転攻勢について「大きな損失を出すだけで失敗に終わった」と主張しました。

ウクライナの反転攻勢に対してロシア軍は防御陣地を固め、戦況はこう着していて、プーチン政権は反転攻勢は失敗したと繰り返しています。

ウクライナ東部でロシア軍が兵士の犠牲をいとわず攻勢を強める中、ゲラシモフ参謀総長としてはロシアが前線で主導権を握っていると主張しウクライナ側の士気をくじくねらいもあるとみられます。

また、ゲラシモフ参謀総長は、グローバル・サウスと呼ばれる新興国や途上国との防衛協力を強化し、中国やインドと戦略的な関係構築を進めていると説明した上で「北朝鮮とも包括的な協力関係を積極的に築いている」と述べ、北朝鮮との関係強化を強調しました。

一方、ウクライナ空軍の報道官は21日、地元メディアに対して、ロシアは軍事侵攻の開始以降、ウクライナに向けておよそ7400発のミサイルを発射し、3700機の無人機で攻撃を仕掛けてきたと明らかにしました。

このうちミサイルおよそ1600発と無人機2900機を撃墜したとしていますが、さらに防空能力を強化する必要があると訴えています。