子どもの声がまちを変える?全国に先駆ける東京 町田のねらいは

子どもの声がまちを変える?全国に先駆ける東京 町田のねらいは
子どもの数がへっている“少子化”が大きな問題になっているよね!このままだと人口がへり続けちゃうんじゃないかな。

そんな中、まちの施設(しせつ)や交通機関の運営(うんえい)に「子どもの声」を生かす取り組みが注目されているよ。

まちづくりに「子どもの声」を生かすことと、少子化への対策(たいさく)がどう関係しているのかな?

「こどもニュース」探検隊(たんけんたい)のぼく、ニュースター(10さい)が子どもの視点(してん)を取り入れたまちづくりを行っている現場(げんば)を調べてきたよ!

(12月14日 ニュースLIVE!ゆう5時で放送)

動画はこちらから

(クリックするとご覧になれます 7分36秒)

町田市 子どもの意見を取り入れたまちづくり

ここは東京・町田市(まちだし)だよ。

実は町田市は、全国に先がけて子どもの意見を取り入れたまちづくりをしているんだ。
ユニセフの「子どもにやさしいまちづくり事業」を行う自治体として認(みと)められているんだって。
※ユニセフ(UNICEF:国連児童基金)…世界中の子どもたちの命と健康を守るために活動する国連機関。
さっそくまちの人に話を聞いてみたにゅ。
「施設が充実(じゅうじつ)してきていて、(子どもと)一緒にお昼ご飯を食べやすい場所がすごくふえている」
「子ども向けのサービスが充実している」

子どもの意見を元にボルダリングやハンモックも

ことし7月にオープンした、子どもが遊んだり、学んだりできる施設をのぞいてみると…
わあ!ボルダリングの遊び場だ~。
上にはハンモックだ!気持ちよさそう!

実はこれ、子どもたちの意見を元に作ったんだって。

子どもが主役!「子ども委員会」

「子ども委員会」って書いてあるね。

おじゃましまーす!
これは何の集まりかな?
委員会代表
「ぼくたち『子ども委員会』は、子どもセンターのルールを決めたり、イベントを企画(きかく)したりしているよ」
委員会には小学3年生から18歳までならだれでも参加できるんだって。
例えば、「夜も自宅(じたく)以外ですごせる場所がほしい」という声があがったときには、市長に要望。

検討(けんとう)の結果、子どもセンターの閉館(へいかん)時間が午後6時から9時に延長(えんちょう)されたんだって。

「子ども委員会」のいいところ、教えてほしいにゅ。
「イベントを決められたり、話し会いができるのがとても楽しかったし、よかった」
「地域(ちいき)の人と関わりを持てたり、自分たちが企画したイベントをたくさんの人に楽しんでもらえたりする」
子どもの声をまちづくりに生かすことが根付いているんだね。すごいにゅ!

市民バスも便利に

市内の高校生たちが参加する別の団体は、こんな取り組みもしているよ。
こちらは町田市が運営する市民バス。

これまで利用者がとても少ないことがなやみだったんだ。
そこで高校生たちが出したアイデアが、バスの便数をふやすことと、みんなに広く知ってもらうこと。

それを実現するために、市とバス事業者の話し合いが始まったんだって。

その結果、昼間の便数をふやしたり、ポケットに入るサイズの時刻表(じこくひょう)を配ったりして利用しやすくしたんだよ。
2019年度には高齢(こうれい)の利用者が3割(わり)近くふえたんだって。
「週に2回から3回利用している。私たちは年齢(ねんれい)的に利用させてもらうことが多い。(高校生たちの)いいアイデアだと思う」
こうした取り組みについて、子ども政策(せいさく)の専門家(せんもんか)に話を聞いたよ。
日本総研 上席主任研究員 池本美香(いけもと・みか)さん
「自治体が子どもの意見を聞いて、施設やサービスのことを考えると、子どもだけじゃなく高齢者など地域の人にとっても満足度が高くなることがある」
なるほど!子どもの意見が他の世代に役立つことがあるんだね。

半年で約1100人の子どもの意見集まる 国の方針(ほうしん)に

国も子どもの声を聞こうと力を入れているんだ。
こども家庭庁(かていちょう)は、子どもたちが健やかに成長できる環境(かんきょう)づくりや、困難(こんなん)をかかえる子どもたちの支援(しえん)のための取り組みをしているんだ。
具体的に何をしているの?
職員(しょくいん)のかとうさん
「子どもや若者(わかもの)の意見を聞いて、子どもたちにとって、もっといい社会になるように、みんなで仕組み作りをしているんだよ」
へ~、でもどうやって子どもの意見を集めているの?
かとうさん
「『こども若者★いけんぷらす』に登録すれば、小学1年生から20代までだれでも意見が言えるよ」
半年あまりで、約1100人の子どもの意見が集まったんだって。
例えば「ボールが使えない公園があるから改善(かいぜん)してほしい」とか「税金(ぜいきん)の使い方を子ども中心にしてほしい」とか、けっこうリアルな意見が。
集まった子どもの意見は、「こども大綱(たいこう)」という国の方針にまとめられるんだって。

そしてさまざまな政策に反映(はんえい)されるということなんだよ。

3歳で会議!?海外の取り組みは

海外はもっとすごいよ。これはドイツの小学校。

この水遊び場をつくる時も、子どもたちの意見を取り入れたんだって!
この写真はフランスの幼稚園(ようちえん)。

幼稚園の庭をつくり変えるときの会議に3歳の園児も参加して意見を聞いているシーンなんだって!
海外の子どもの意見を取り入れたまちづくりにくわしい木下勇(きのした・いさみ)教授(きょうじゅ)に話を聞いたよ。
大妻女子大学 木下勇教授
「子どもの意見をまちづくりに取り入れると、安心して子育てができるようになるため、出生率(人口あたりの子どもが生まれる数の割合)がふえることが期待される。さらに、さまざまな年齢の人たちが子どもと関わるため、世代間の交流が生まれる」
子どもの意見を取り入れてまちづくりをすることが少子化対策にもなるんだね。

みんなも意見を出し合って一緒により良いまちづくりをしていくにゅ~!

ここからはおさらいクイズだよ。ぜひチャレンジしてみてね!