連合 “最低賃金 2035年までに時給1600~1900円程度に”

労働団体の連合は企業が労働者に最低限、支払わなければならない最低賃金について、2035年までに時給1600円から1900円程度の水準まで段階的に引き上げるとする目標を発表しました。

最低賃金について、連合は誰もが時給1000円を目標に厚生労働省の審議会で議論を続けていましたが、ことし初めて全国平均で1000円を超え、新たな目標の検討を進めていました。

21日の中央執行委員会のあと記者会見を開き、12年後の2035年までに全国平均の時給を1600円から1900円程度の水準まで段階的に引き上げるとする目標を発表しました。

最低賃金の現在の全国平均は1004円でフルタイムの労働者の賃金と比べると全体の中央値のおよそ48%の水準にとどまっていますが、それを60%まで引き上げる計算です。

この目標は、政府がことし8月に表明した2030年代半ばまでに全国平均を時給1500円に引き上げるとする目標を上回ります。

連合は、この目標をもとに2024年夏ごろに開かれる審議会で国や企業側に引き上げを求めていく方針で、賃上げの機運が高まる中、最低賃金を引き上げることで格差是正につなげたい考えです。

連合の仁平章 総合政策推進局長は「海外と比較して日本は格差を是正しなければならない状況にある。今回の目標を着実に達成していきたい」と話していました。