コロナ対応踏まえ 国が緊急時に指示 法改正検討へ 岸田首相

岸田総理大臣は、新型コロナ対応の課題を踏まえ、国民の安全に重大な影響を及ぼす感染症などが発生した場合には、国が自治体に必要な指示を行えるよう、地方自治法に新たな規定を盛り込む法改正を行う方向で検討を進める考えを示しました。

政府の地方制度調査会の市川晃会長は21日、総理大臣官邸で、国の新型コロナ対応の課題を踏まえ、新しい国と地方のあり方について検討した答申を岸田総理大臣に提出しました。

答申では、令和2年2月に発生したクルーズ船での集団感染で、県をまたいで患者を移送する際に、国と自治体との間で調整が難航したことなどに触れ、緊急時に迅速に対応できるよう、関係を見直す必要があるとしています。

そして、国民の安全に重大な影響を及ぼす感染症や災害が発生した場合には、感染症法など個別の法律に規定がなくても、国が自治体に必要な指示を行えるよう、地方自治法に新たな規定を盛り込むべきだとしています。

指示の際は、関係大臣が判断し、閣議決定を経ることが適当だとしています。

岸田総理大臣は「およそ2年間にわたる議論で、地方制度がどうあるべきか現実的な提言をいただいた。具体化に向けて、法制上の措置も含め、早急に対応を考えたい」と述べ、地方自治法に新たな規定を盛り込む法改正を行う方向で検討を進める考えを示しました。

政府は、来年、2024年の通常国会に地方自治法の改正案を提出することを目指す方針です。