政府 来年度成長率 実質+1.3%見通し “国内消費や投資堅調”

政府は、来年度・2024年度の日本経済の成長率について、国内での消費や投資の堅調な推移が見込まれるとして、物価の変動を除いた実質でプラス1.3%程度になるという見通しを示しました。

政府は、来年度予算案の前提となる経済成長率の見通しを21日の持ち回り閣議で了解しました。

それによりますと、来年度のGDP=国内総生産の伸び率は、物価の変動を除いた実質で、プラス1.3%程度としています。

ことし7月時点の見通しより0.1ポイント引き上げました。

政府の経済対策を下支えに所得環境が改善され、個人消費が1.2%伸びるほか、企業の業績が好調なことから設備投資も3.3%拡大するとしています。

また、消費者物価の総合指数は、国内需要の高まりを踏まえ、プラス2.5%程度と見込んでいます。

名目GDPの伸び率は、物価上昇を反映して、プラス3.0%程度となり、規模は615兆3000億円と過去最高になるとしています。

一方、今年度の成長率は、自動車を中心に輸出が増えたことを背景に、実質でプラス1.6%程度と、7月時点の見通しより0.3ポイント引き上げました。

経済財政諮問会議 “所得が物価上昇率を上回る試算”

政府の経済見通しにあわせて内閣府は、21日の経済財政諮問会議で、賃上げや定額減税の効果を見込んだ来年度の所得と物価の上昇率の試算を示しました。

それによりますと、来年度の賃金の上昇率は、経済の成長や人手不足などを背景に、今年度より0.1ポイント高いプラス2.5%になるとしています。

これに政府の経済対策の4兆円規模の定額減税などの効果を加えると、所得の上昇率はプラス3.8%となり、物価の上昇率を上回るとしています。

岸田首相 “物価上昇を上回る賃上げ 必ず実現を”

岸田総理大臣は「物価高から国民生活を守り、物価上昇を上回る賃上げを必ず実現しなければならない。総合経済対策の迅速で適切な執行に加え、医療、福祉従事者の賃上げを実現するために必要な水準を措置する」と述べました。

そのうえで、「こうした政策を実行していけば、政府の経済見通しで示したとおり、来年度にかけて民需主導の経済成長が広がっていく。ことしを上回る賃上げの動きとあわせ、夏には定額減税などの効果が加わることで、官民連携で国民の所得増加が物価上昇を上回る経済を実現したい」と述べました。