東京海上日動火災 新社長に城田宏明氏 異例の33人抜き昇格人事

東京海上日動火災保険は、広瀬伸一社長が来年4月に退任し、後任に54歳の城田宏明執行役員を異例の33人抜きで昇格させる人事を発表しました。大手損保会社をめぐっては、企業向け保険の保険料を事前に各社で調整していたことが問題となっていますが、社長に昇格する城田氏は「企業風土を見直したい」と述べ、社内の改革に取り組む考えを示しました。

東京海上日動火災保険は20日に記者会見を開き、2019年から経営トップを務めてきた広瀬社長が来年4月1日付けで退任して代表権のない会長に就任し、後任の社長に城田執行役員を異例の33人抜きで昇格させる人事を発表しました。

城田氏は54歳。

1992年に当時の東京海上火災保険に入社し、広報部長や営業企画部長を経て、去年から執行役員を務めています。

東京海上日動火災保険を含む大手損保4社をめぐっては、企業向け保険の保険料を事前に調整していたことが明らかになり、19日に公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査に入りました。

一方、金融庁は近く4社に対し、保険業法に基づいて業務改善命令を出す方針です。

社長に昇格する城田氏は「今までの慣習や制度、業務プロセスを1つずつ、しっかり点検し、顧客起点で取り組んでいきたい。社員の意識も変えるべく、企業風土も見直していきたい」と述べ、社内の改革に取り組む考えを示しました。