オスプレイ佐賀空港配備計画 反対の住民 工事中止求め国を提訴

陸上自衛隊の輸送機オスプレイの佐賀空港への配備計画に反対する一部の住民が、空港西側の土地で国が進めている駐屯地の建設工事について、中止を求める訴えを佐賀地方裁判所に起こしました。

防衛省は佐賀空港に陸上自衛隊のオスプレイを配備する計画で、空港西側の土地の地権者でつくる協議会が賛成多数で防衛省への土地の売却を決め、その後、登記上の名義人である佐賀県有明海漁協が売買契約を結び、ことし6月以降、オスプレイの駐屯地の建設工事が進められています。

この計画に反対する佐賀市の漁業者など4人が国に工事の中止を求める訴えを佐賀地方裁判所に起こしました。

訴えによりますと、空港西側の土地は、原告を含む地権者たちが所有する「共有地」で、漁協に売却する権利はなく、売却に必要な地権者全員の同意がないため土地の所有権は国に移っておらず、建設工事は地権者の所有権を侵害しているなどとしています。

また、アメリカ軍のオスプレイが11月、鹿児島県の屋久島沖で墜落した事故にも触れ「通常の航空機では考えられないペースで重大事故が頻発していて、有明海で同様の事故が起きれば原告らの生命や身体に直接危険が及びかねず、漁業にも深刻な被害を及ぼす」と主張しています。

原告の1人、古賀初次さんは「これまでの国策で有明海は死の海になり、疲弊していることを漁業者は感じている。絶対に工事を止めましょう」と訴えました。

一方、九州防衛局は「訴状が届いた時点で、内容について関係機関と検討の上、適切に対応したい」とコメントしています。

原告4人はことし8月、裁判所にこの工事の中止を求める仮処分も申し立てています。