イスラエル大統領 戦闘休止に前向き姿勢 水面下で交渉の可能性

イスラエルのヘルツォグ大統領はガザ地区でイスラム組織ハマスなどに拘束されている人質の解放に向けて再び戦闘を休止することに前向きな姿勢を示しました。イスラエルは、およそ40人の人質の解放と引き換えに少なくとも1週間の戦闘休止を提示したとも伝えられていて、水面下で交渉が行われている可能性があります。

イスラエル軍は、新たな部隊も投入してガザ地区南部の主要都市ハンユニスへの攻勢を強めていて、ロイター通信は20日、市の中心部で激しい銃撃戦が起きていると伝えています。

ガザ地区の保健当局によりますと、イスラエルの軍事作戦が始まってからの死者数は1万9667人にのぼり、2万人に迫っています。

こうした中、イスラエルのヘルツォグ大統領は19日、現地に駐在する各国の大使らとの会合で、いまも拘束されているおよそ130人の人質の解放に向けて「再び戦闘を休止する準備がある」と述べました。

人質の解放をめぐってはイスラエルの情報機関モサドの長官が、18日、ポーランドでハマスとの仲介役を務めるカタールの首相兼外相らと会談したと伝えられていて、水面下で交渉が行われている可能性があります。

この会談についてアメリカのニュースサイト、アクシオスは19日、イスラエルの当局者などの話しとして、モサドの長官がカタール側におよそ40人の人質の解放と引き換えに少なくとも1週間の戦闘休止を提示したと伝えました。

また、ロイター通信は、会談内容の説明を受けた情報筋の話しとして、建設的なものだったとする一方、直ちに交渉が成立する状況ではないとも伝えていて、今後、新たな戦闘休止に向けた具体的な動きに結び付くのか注目されます。