介護サービス利用料の引き上げ見送り 高齢者負担増の影響考慮

高齢者が入浴介助などの介護サービスを受けた際に支払う利用料の引き上げについて、武見厚生労働大臣は鈴木財務大臣と協議し、物価高による高齢者への影響を慎重に検討する必要があるとして引き上げを見送ることを正式に決めました。

高齢者が入浴や食事の介助などの介護サービスを受けた際に支払う利用料の自己負担の割合は原則1割ですが、厚生労働省は制度を維持するために、高齢者の自己負担の引き上げが必要だとして、現在は利用料の1割を自己負担している人の中から2割負担してもらう人を増やす案を検討してきました。

来年度予算案の編成に向けて、武見厚生労働大臣は20日、財務省で鈴木財務大臣と閣僚折衝を行い、物価高の中で、高齢者の負担が増えることへの影響を慎重に検討する必要があるとして今回の介護保険制度の見直しでは自己負担の引き上げを見送ることを正式に決めました。

そのうえで、制度の持続可能性を高める必要があるとして、厚生労働省は、次回、3年後に行われる制度の見直しの中で、引き続き高齢者が支払う利用料の引き上げについて、検討を行うということです。

武見厚生労働大臣は「国民に負担をお願いすることは簡単なことではなく、負担能力について検討する時は極めて精緻で丁寧に議論を進めていくべきだ。次の計画に向けて検討を確実に行っていきたい」と話しています。